シャープが世界最高効率モジュール──次世代太陽電池2007/12/03配信
シャープは次世代太陽電池とされる「色素増感型」の太陽電池で、世界最高効率のモジュールを開発した。太陽光エネルギーを電力に変える変換効率は7.9%で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が設定している開発目標に大きく近づいた。シャープではモジュールの大面積化などに取り組み、主流の結晶シリコン型に比べて安価に作れる色素増感型の実用化につなげたい考えだ。
面積が26.5平方センチメートル、変換効率が7.9%のモジュールを開発した。NEDOは色素増感型の太陽電池モジュールについて「2010年に面積900平方センチメートルで変換効率8%」という開発目標を掲げている。シャープはNEDOの委託を受けており、今後は大面積化に取り組む。 シャープは色素から受け取った電子を電極に渡す役目を果たす酸化チタン膜に着目。大きさ20―50ナノ(ナノは10億分の1)メートルの酸化チタンの粒子の配列を工夫し、太陽光が膜中を長く通るようにした。膜に付着している色素に届く太陽光が増えることで、受け取る電子量も増える。 色素増感型の太陽電池は電極と色素、ヨウ素などの電解液があれば作れる。結晶シリコン型や化合物系の太陽電池では真空装置を使う工程が不可欠だが、色素増感型では不要で、他の方式よりも安価に作れる可能性がある。シャープではさらに変換効率を高める一方、色素の長寿命化に取り組んで実用化を狙う。
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