「Administrator」は、「管理者」という意味で、Windows NT/2000/XPにおける管理者用アカウントの名称である。Windows NT/2000、およびWindows XP Professionalをインストールすると、その途中でこのAdministrator用のパスワード指定を求められる。なお、Windows Meの後継であるWindows XP Home Editionでは、デフォルトでAdministratorのパスワードが無指定になっており、インストール時には問い合わせられない(これは、初心者がコンピュータの管理者などを意識しなくても利用可能にする措置である)。
これまでにも簡単に触れたように、Windows XPでは、初心者ユーザーが手軽に使えるように、Administratorをできるだけ隠蔽するように変更された。特に、Windows Meの後継となるWindows XP Home Editionと、Windows 2000 Professionalの後継となるWindows XP Professionalでは、Administratorの取り扱いが大きく異なるので注意が必要だ。
■Windows XP Home EditionとAdministrator
Windows XPでは、Windows 2000のログオン・プロンプトに代えて「ようこそ」画面が表示され、システムに登録されたユーザー一覧が表示されるようになった。しかしHome Editionでは、この一覧にAdministratorは表示されない。「ようこそ」画面にAdministratorを表示したり、Administratorでログオンしたりするには、システムをセーフモードで起動する必要がある。セーフモードでは、管理者権限を持つユーザーだけが「ようこそ」画面に一覧される。Home EditionでAdministratorアカウントにパスワードを設定したければ、この方法を使ってAdministratorでログオンする必要がある(もしくはコマンド・プロンプト上で、「net user Administrator *」コマンドを使ってパスワードを設定することもできる)。
■Windows XP ProfessionalとAdministrator
Windowsドメインネットワークに参加していないWindows XP Professionalでは、ほかに管理者権限を持つユーザー(Administratorsグループのメンバになっているユーザー)が存在しない場合にかぎり、「ようこそ」画面のユーザー一覧に「Administrator」が表示される(ドメインに参加している場合は「ようこそ」画面そのものが表示されない)。ただしProfessionalでは、「ようこそ」画面でCtrl+Alt+Delキーを2回押してWindows 2000と同様のログオン・プロンプトを表示し、ここからAdministratorでログオンすることが可能である(Home Editionでは、Administratorアカウントが制限されているため、この方法ではログオンできない)。