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IAEA蚊帳の外 北朝鮮の核無能力化

2007年12月02日15時30分

 6者協議の合意に基づいて進む北朝鮮の核関連施設の無能力化作業に国際原子力機関(IAEA)は加わっていない。90年代前半の朝鮮半島核危機の際、査察をめぐって激しく対立したIAEAの参加を北朝鮮が受け入れないためとみられるが、「核の番人」とされるIAEAが全く関与しなければ、無能力化の中身にも影響しかねない。

 無能力化は11月初めに始まり、5千キロワット級の黒鉛減速炉で燃料棒取り出しの準備や燃料棒貯蔵プールの浄化などの作業が続いている。

 これに対し、エルバラダイ事務局長は11月22日のIAEA理事会冒頭、「作業はIAEAの関与なしに進んでいる」と指摘した。寧辺にはIAEA要員3人が駐在。稼働停止・封印された核施設の監視と検証をしているが、無能力化作業には米国の専門家チームがあたっており、IAEA内には「我々はただそこにいるだけだ」などと不満が高まっている。

 理事会では、米国のシュルテ大使は「北朝鮮の協力を評価する。無能力化作業の監視をIAEAに許可するよう北朝鮮に求める」と発言。双方への気遣いをみせたが、北朝鮮側は認めていない模様。北朝鮮が近くリストを出すとみられる核計画の完全な申告についても、IAEAが内容の検証作業にかかわるかどうか不透明だ。

 IAEAが92〜94年に行った査察では、北朝鮮の妨害や隠蔽(いんぺい)工作が相次ぎ、プルトニウムの抽出回数などをめぐり対立。北朝鮮は特別査察を拒否し、IAEAを脱退した。北朝鮮側としては申告内容の検証でも、IAEAの関与を認めないか、最小限にとどめる考えとみられる。

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