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【トレンドランナー】社長・信長の「野望」

 大学院生を専門に就職支援事業を立ち上げた若手社長がいる。(正本恭子)

大学院卒=「第3新卒」の、就職をもっと!

 企業への就職を希望する大学院生を「第3新卒」と位置付け、就職のための研修を行い、優秀な人材獲得を目指す企業との橋渡し役を担う考えだ。


思いを力説する林さん

 この会社は「D・F・S」(本社・東京都渋谷区)で、社長は林信長(のぶなが)さんだ。大学院生を、新卒や卒業後にいったん就職した第2新卒と区別し、「第3新卒」と位置付け、就職市場の確立を目標にする。林さんは「大学院生の就職支援事業を通じて、企業の大学院生の人材ニーズを開拓したい」と語る。

 大学院生には、潜在能力は高く優秀な人材は多いが、研究などで就職活動のタイミングをつかめず、希望の仕事に就けないケースが目立つためだ。一部の理系学生を除いて企業との接点が少ないことも影響している。

 D・F・Sは大学院生に、カウンセリングを実施し、就職の希望や仕事に対する考え方などを聞き出し、それぞれに合ったキャリアプランのアドバイスを行う。そのうえで、実際に大学院生の採用に積極的な企業に、紹介する。

 大学院生は、専門に特化し年齢面などでも新卒者と比べて企業組織に不向きとみられることがあった。最近は企業の人事制度が変わり、年齢面の問題が緩和されるとともに、研究者として大学に残るよりも企業で能力を生かしたいと考える大学院生が増えてきた。

 林社長はこうしたニーズを踏まえて「学習能力が高く、修士・博士課程の論文指導などで考える能力が身についており、ビジネスにも応用できる」とアピールする。

 林社長も京都大学大学院博士課程を満期中退した修士だが、大学院生の就職活動の大変さを目の当たりにしてきた。就職活動がうまく進まず、自殺を図った同級生もいた。この時、大学院生向けの就職支援事業を起こしたいと強く考えるようになった。

 林社長は大学院在学中の2002年に企業のホームページ制作などを行う会社を立ち上げ、事業が軌道に乗った後、昨年末、就職支援事業をスタートさせた。

 就職先として紹介する企業は、企業や経営者の理念を重視している。「理念に共感できる考えの会社や社長の下で働く」ことが、大学院生のやる気の源泉になるとの考えからだ。彼らは理念に共感することで、より大きな力を発揮するとみる。

 林社長自身、企業の経営者、従業員、株主の三者を結びつけるものとして理念をあげる。「理念という社会的なメッセージがあって初めて、企業として信頼され成長できる」という。第3新卒の就職支援に、D・F・Sの社会的なメッセージを込めている。

<おことわり>【仕事事情】を、お待ちの方々へ
 今回のテーマ「女性技術者と職場」(2月19日付け)は、編成上の都合で「アフター5」のコーナーで更新させていただきました。ご面倒をおかけしますが、 http://job.yomiuri.co.jp/afterfive/jo_af_07021901.cfm まで、よろしくお願いします。
2007年2月22日  読売新聞)

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