裸の画像送れ! 女子中高生狙う携帯メール多発
面識のない女子中高生に自分の裸の画像を撮影させ、携帯電話のメールで送らせる犯罪が相次いでいる。東北では宮城、福島両県で、暴力団とのつながりをほのめかして脅したり、「イケメン」男性を装ったりして、画像を受け取ったとされる事件があった。顔の見えない関係につけ込む悪質さが目立ち、専門家は、子どもに携帯を持たせる保護者らに注意を呼び掛けている。
宮城県警は11月、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で大阪府の彫師の男(25)を逮捕した。出会い系サイトで知り合った大崎市の女子高校生(16)が18歳未満と知りながら、9月に携帯電話のカメラで服を脱いだ写真を撮影させ、メールで送らせたという。
2人は会ったことはないが、メールは頻繁にやりとりしていた。男は相手の返信が途絶えがちになったことで「やくざを送るぞ。ただじゃ済まないぞ」と脅迫。女子は画面に残る脅し文句に恐怖を感じ、画像提供に応じたとされる。
京都府警が10月、同法違反容疑で逮捕した大阪市の無職男(30)は4―7月、女子中学生(15)に裸の写真などを撮らせて携帯電話にメールで送らせたとされる。男は「あなたはやくざに狙われている。助けてほしいなら裸の写真を送れ」とメール送信。ほかの少女にも同様に画像を送らせたとみられる。他人の入れ墨写真をメールに添付し脅すこともあったという。
郡山署が10月に同法違反容疑で再逮捕した福島県会津坂下町の会社員の男(48)はイケメンになりすました。携帯電話のゲームサイトで知り合ったいわき市の女子高校生(16)に別人の格好いい男の写真を送信。若者言葉のメールで信じさせ、裸の上半身の画像を受け取ったとされる。
警察庁によると、ネットワーク利用犯罪のうち、全国の警察が2006年に児童ポルノ絡みで関係者を逮捕するなどした事件は251件で前年の1.8倍に増えた。携帯のネット上で自己紹介できる「プロフィルサイト」で個人情報が知られ、少女が性犯罪被害に遭う例も多いという。
ネット利用でのトラブル相談を受け付ける財団法人「インターネット協会」(東京)の大久保貴世・主任研究員は「携帯電話を持たせる以上、親は子どもの立場になって、どこにアクセスしているか関心を持つ必要がある。トラブルに巻き込まれたら、説教するのではなく包み込むように接し、悩みを聞いてほしい」と話している。