モテる社長の法則


更新日:2005年7月13日

世の中を元気にしている成長企業。そのトップである社長には、キラリと世の中を魅了するカッコよさやモテる秘訣があるはず!

キャラ、ポリシー、ビジョンから湧き出るその魅力・・・etc。

普段接している社員だけに独り占めさせるのはもったいない。20代の私たちにもそのパワーをおすそ分けしていただこうと、世の中から一目置かれる"モテる社長"に接近し、その素顔に迫ります。

photograph by Goto Sola/text by Nakajima Takamasa



IT技術を誰にでもカンタンに
内藤 裕紀 氏

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株式会社ドリコム
代表取締役CEO 内藤 裕紀 氏



1978年生。2001年11月、大学在籍中に株式会社ドリコムを設立。以後立命館大学との提携などを経て、ブログを中心としたコミュニケーションツール「ドリコムブログ」、日本初のブログポータルサイト「Myblog japan」 、ニュース&ブログ検索「News&Blog search」 など、ブログを中心とする様々なサービスを開発。現在27歳。



若くして活躍する経営者が再び増えている。ITベンチャーの第2世代と呼ばれる20代社長たちだ。ドリコムの内藤社長もその1人。サイバーエージェント藤田社長GMOインターネット熊谷社長とも仲が良いと言う27歳社長に、起業のきっかけや、会社の成長戦略、20works(ニーゼロワークス)世代へのメッセージなどをお聞きしました!


−−起業を志したきっかけは?


もともと発明家になりたかったんですよ。小学校の文集にもその想いが書かれていました。 高校生の時にはかなり明確に"事業家になるんだ"、と思うようになっていました。大人が参加する経済シンポジウムとか、日経新聞が面白かった。特に新聞は毎日何かが生み出されているのが伝わってきて、楽しくなるんですよね。逆に学校の授業は毎年同じ。退屈だなあと感じていました。

いつの頃からか、"自分は何か新しいモノを作ることに関わりたい""それは会社を興すことによってかなうのだ"と確信し始めたのです。


−−起業時の想いは?


IT技術を、誰もが楽しめるような形にしたいという想いを持っていました。例えば、ファミコンは子どもでも遊べるくらいカンタンだったから、あれだけ愛されたんだと思うんです。

Aボタンを押したらジャンプ、Bボタンでダッシュ、みたいにね(笑)。新しいカセットを買ったら、とりあえずガシャッと入れて遊ぶじゃないですか。説明書を読まなければ使えないのでは、魅力半減ですよね。

新しい技術というのは、そのままの形では一部の人だけのオモチャでしかないと思うのです。"IT技術を誰にでもカンタンに"。それが僕の使命だと思っています。



起業して会社を立ち上げるというのは、私にとってはごく自然な事でした。


−−学生起業ということですが、最初はどのような感じだったのですか?



最初はひどいものでしたよ。起業したのは大学2年生のときだったのですが、初年度の売上はたった3万9000円(笑)。これではお給料も払えないというので、次の1年間はがんばって7000万円以上に伸ばしました。

朝4時までお客さまと飲んでから、その日の朝8時までに提案書を作るとか…。日常的に無茶をしていましたね。死にものぐるいというか。そのときは家賃8万円の一軒家が事務所だったのですが、ものすごく古い建物でゴキブリが出るのは当たり前。それを食べるねずみが来て、最後にはねずみを追いかけて猫が駆け回る始末で(笑)。まだたった3年前の話しなんですけどね。


−−"気合い"と"理論"の両方が同居しているような印象を受けますね。


そうですね。動物的なところと理論と、両方必要だと思います。これはいける!と直感でビジネスをスタートできることはとても重要なことですし、さらにそれを理論に落とし込んでいく力、つまりその市場に参入した場合、勝てるのか、負けるのか。勝てるとしたらその理由は、なぜ勝てるのか、競合優位性は何か、といったシミュレーションができるということも大事ですよね。

ドリコムの事業モデルも、某コンサル会社が作ったシートを参考にライフサイクルなどを検討しています。プランをしっかり固めた後、実行に移すときは体力勝負です(笑)。



1日のスケジュール
8:30 起床
9:30 東京全社ミーティング
11:00 社内の事業部ミーティング
12:00 昼食
13:00 管理部打ち合わせ
14:30 他の会社と提携打ち合わせ
16:00 営業部と打ち合わせ
18:00 とある上場企業の5周年記念(ホテルオークラで)
22:00 面接
23:30 夕飯
24:00 打ち合わせ&デスクワーク
27:00 帰社


人生の節目に必ずあるのが写真。1枚1枚にそれぞれストーリーがあるんです。


−−わずか3年で会社をここまで伸ばせた理由は何だと思いますか?



ここまではある程度、計画通りですね。現在ドリコムで行っている事業は、ちょうど2年前くらいに決めたことをその通りに行っているという感じです。

僕は何でも「逆算」で考えるんです。まずゴールを決めて、そこから逆算して今、やるべきことを決めるわけです。例えば5年後、こうなっているだろうという具体的な想像をして、ならば1年後はこれをやる、半年後はこれ、3ヶ月後は、1ヶ月後は……と決めていって、最後に今日のアクションが決まる。ビジネスも同じですね。ゴールの状態をイメージして、それに至る道筋をゴールからスタートまで逆向きにたどる。これだけのことですが、けっこう効きます。


−−ご自身の人生も逆算されたりするのですか?


35歳で結婚するには1年後…、みたいな感じですか(笑)?それはないです。

土日も普通に出社しますし、今は会社と共にいる感じです。睡眠は3〜4時間くらい。たまの休みはひたすら溜まった家事をしています。人生のことは、ある程度ドリコムをやりきってから考えようかなというところです。


−−20works(ニーゼロワークス)世代へのメッセージをお願いします。


僕もニーゼロ世代なんですが(笑)。それはさておき、重要な原則は、『自分はここまでだと思ったら、そこまでしかできない』ということだと思うのです。だからそのラインをどこに置くかで到達点が決まるということです。

どの程度、達成したいと思うかですよね。80点を取りたいと思ったら、大抵実際の点数は80点より低くなります。だから到達点を高く設定して、あきらめ悪く、行動し続ける。

このことが大切だと、僕は思っています。これが女の子相手だったら、相当しつこい男だと思いますけどね(笑)。





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内藤氏アイテム
【愛用アイテム1】 【愛用アイテム2】 【愛用アイテム3】
限定仕様のLouis vuitton社製皮グッズ。内藤社長は財布、名刺ケース、手帳の3点で所持。使い込まれた感じもグッド。 家電や雑貨、インテリアには特別こだわりの強い内藤社長。電卓はamadanaブランドをご愛用。ちなみに商品につけられたキャッチは「できる人」の電子計算機。LIMITED EDITION。似合っています。 Tビジネスの最先端を行く内藤社長だが、ビジネスで使うのは意外にも紙が多いのだそう。okina社製「ProjectPaper」が一番のお気に入り。「ビジネスプランやアイディアを練るにはパソコンより直感的に書き込める紙の方が良いですね」


【内藤氏が20works世代の時に影響を受けた本】

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
板倉 雄一郎
創元社
『ジャパニーズ・ドリーム』
ジャパニーズ・ドリーム―史上最年少の上場企業社長
藤田 晋
創元社
内藤社長が創業時に影響を受けた2冊。

社長失格はベンチャーの倒産、ジャパニーズ・・・は上場という成功と失敗を描いている。「結果は正反対ですが、それまでの90%の流れはほとんど同じ。つまり成功と失敗はほんとに紙一重なんだということが分かります。共通しているのはどちらも話しがデカイということ。どう転ぶか分からないのだから、とにかく大きく仕掛けてみる。きっとそう思えるはずですよ」


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