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助産師外来へ県が研修会/産科医不足に対応

2007年12月03日

 助産師が医師に代わって健診や保健指導にあたる「助産師外来」の開設を支援しようと、県は助産師の資格を持つ看護師の研修を今月から始める。産科医不足で分娩(ぶん・べん)を扱わない病院が増えている県北地域の病院に勤務する看護師が対象だ。最新の技術や知識を学んでもらい、産科医の負担を少しでも和らげる狙いがある。

 県北では、昨年310件の赤ん坊を取り上げた登米市立佐沼病院が今年9月からお産を取りやめた。栗原市立栗原中央病院では04年8月からお産を休止している。両病院とも産科の常勤医はおらず、非常勤医が週2日ほど外来診療のみを行っている。

 このため、産科の常勤医がいる大崎市民病院や石巻赤十字病院だけではなく、岩手県一関市の病院まで1時間以上かけて通院する妊婦もいるという。

 助産師の資格を持つ看護師の多くは、病院に勤めていながら、お産の現場から離れているため、技術や経験の不足が懸念されるという。研修はこのような不安を取り除くことが目的だ。

 研修は講義8日間と実習32日間。東北大病院など仙台市内の4病院で行う予定。講義では主に妊婦の精神的なケアなどを学び、実習では超音波検査や触診など最新技術を習得してもらう。

 受講生は、栗原中央病院や佐沼病院など産科の常勤医がいない県北地域の病院に勤める助産師10人前後になりそう。

 県では、研修を受けた助産師らを中心に、両病院に助産師外来を設置したい考えだ。当面は、経過が順調な妊婦の健診や保健指導をするだけで、お産は扱わない。健診などを地元の病院で行い、出産は常勤医のいる病院に集約化する方針だ。

 県医療整備課は「出産前後の体調管理や育児など妊産婦が抱えるさまざまな悩みにも対応できる。産科医の負担も減らせる」と期待を寄せる。

 県内では、仙台医療センター(仙台市)が助産師外来を設けている。公立刈田綜合病院(白石市)では、助産師が正常なお産を担当する院内助産所を設置している。

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