2007年12月3日 [月]
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ヤンバルの森守り育てる 北部訓練場の跡利用方針決定

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ヤンバルの森守り育てる 北部訓練場の跡利用方針決定

沖縄北部国有林機能類型区分

 米軍北部訓練場返還後の北部国有林の取り扱いを協議する九州森林管理局主催の検討委員会(座長・篠原武夫琉大名誉教授)の第6回会合が29日午後、那覇市の県青年会館で開かれ、北部国有林の利用区分を決定した。1997年の第1回会合から10年かけて決定した最終区分では、木材生産を目的に国有林を伐採することができる「資源の循環利用林」の指定を見送り、返還対象の国有林すべてを基本的に保護・保全利用する方針を決めた。
 現在、米軍が北部訓練場として使用している約7513ヘクタール(勅令貸付国有林を除く)のうち、約6898ヘクタールは国有林。今回の返還対象は約3987ヘクタールで、そのうち約85%の3372ヘクタールを国有林が占めている。
 区分は自然のまま保護していく「自然維持タイプ」が5割強、続いて「水源涵養(かんよう)タイプ」が5割弱、スポーツやレクなどに利用する「森林空間利用タイプ」は3%程度となっている。「資源の循環利用林」の指定地域はない。
 委員会では同局が昨年10月から今年3月まで実施した北部環境現況調査で動植物の希少種や固有種が集中しているとの結果が報告され「この地域の自然は国宝級の価値がある」「代替えできる環境がない極めて脆弱(ぜいじゃく)で特殊な地域」と結論付けている。
 委員からは「今回返還されない土地にも貴重な植生地があるというメッセージを国際的に発信することが大事」「厳密に保存する地域と、積極的に林業利用する地域を分けた方がいいのでは」といった意見が出された。
 また保護林に対しては「森林生態系保護地域にも指定すべきだ」「森林保存の種の保存が大事。各地域に応じた取り扱いが必要」などと活発な意見が交わされた。本年度中に予定されている次回会合では、区分とは別に保護林の詳細な設定区域などについてさらに議論する。

(11/30 10:05)

 

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