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【三重】

大病院への偏重再考を 県医師会などが救急医療の現状討論

2007年12月3日

 人手不足で過酷な労働を強いられている病院の「勤務医」や救急医療の現状を考えるシンポジウムが二日、津市のアスト津であった。急病時、軽症者はかかりつけの医院が診る「一次救急」と、すぐ治療が必要な重症者は病院が診る「二次救急」のあり方について現場の医師らが意見を交わし、二次救急に偏らないためには患者側の理解も必要との意見が聞かれた。

 県医師会、県、県病院協会が共催し、医療関係者や住民ら約百五十人が出席した。

 県医師会が県内の勤務医を対象にしたアンケート結果を紹介し、松阪地区医師会の太田正隆理事が、松阪市での一次、二次救急の実例を報告。太田理事は、高度な医療が受けられるとの理由で、重症でなくても病院を選ぶ患者が多いとし「二次救急が安易な場になっている」と指摘した。

 同市では、休日や夜間の一次救急は同医師会が運営する「休日夜間応急診療所」が受け持ち、二次救急が必要な場合は市内の三つの総合病院を紹介しており、広報に力を入れるなどした結果、今年から小児救急で一次救急の利用者が二次救急より増えたとした。

 続いてパネルディスカッションがあり、県の西口裕医療政策監は「医療というのは“社会資源”で、みんなが理解しないと動いていかない。患者自身も一定のルールを守ることが必要」などと述べた。

 (神田要一)

 

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