人気アニメ「らき☆すた」の舞台のモデルになり、アニメファンの“聖地”となっている埼玉県鷲宮(わしのみや)町で2日、声優らを招いてイベント「『らき☆すた』のブランチ&公式参拝in鷲宮」が開催され、人口3万4000人の静かな町が、詰めかけた約3500人のファンらの熱気に包まれた。
「らき☆すた」は、美水(よしみず)かがみさんの4コマ漫画が原作のTVアニメで、登場人物の住まいのモデルが鷲宮町周辺であることがアニメ雑誌で紹介されたのを機に、今夏ごろから訪れるファンが急増。特に美少女キャラの「家」と設定された鷲宮神社に、アニメファンの参拝者が殺到した。これを地元活性化のチャンスとにらんだ町商工会が出版元の角川書店に打診、イベント実現にこぎつけた。
この日は、同番組で主要キャラの声を演じた声優や、美水さんが主役。鷲宮神社近くの食事処「大酉茶屋(おおとりちゃや)わしのみや」での特別ブランチに参加し、その後鷲宮神社に公式参拝する−という2本立てのイベントが柱になった。
商工会の担当者によれば、約3500人のファンらがイベントに集結。収容能力の関係で「茶屋」で声優らに会えたのはわずか230人という「狭き門」だったが、不満の声などは大きくなかったという。客層はオタクな男子ばかりかと思いきや、約5人に1人は女性で、近隣住民や小さい子どもも多く見かけたとのこと。
熱狂的なアニメファンが多数集まることに対して、近隣住民の反発も予想されたが、事前に「徹夜禁止」を呼びかけた商工会のメンバーが前夜から警備にあたり、イベント運営では地元の学生など約20人のボランティアスタッフが協力するなど万全の態勢で臨んだこともあり「トラブルやマナーの面での問題は特にありませんでした」
「(町の)歳末売出スクラッチカードを(近隣の商店を利用してもらえるよう)あえて『茶屋』以外の店舗で配布しましたが、『在庫が空になっちゃったよ』と話す酒屋さんもいたほど。今回のイベントに合わせて用意した特製桐絵馬ストラップについても、きょう用意した2000個がすぐに売り切れました。あすの一般発売分についても予約が入っています」と、商工会の“狙い”である町おこしにもかなりの手応えを感じた様子。今後も「地域の活性化につながるのであれば、(同様のイベントを)またやっていきたい」と話していた。
また、鷲宮神社の担当者も「多くの方々にお参り頂いた。参加者のマナーが素晴らしく、近所からの苦情もなかった。神社側からの要望などもよく聞いてくれて助かった」と話しており、前代未聞の“アニメと神社と地域商店のコラボレーション”はひとまず成功のうちに幕を閉じたようだ。
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