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小児・産科医師を基幹病院に集約 山口県、計画策定へ本腰 '07/11/30

 山口県は、勤務医不足の深刻な小児科、産科の医療体制を確保するため、医師を基幹病院に集める「集約化・重点化」計画づくりが本格化してきた。山口大医学部や病院の医師らでつくる医療対策協議会で議論を重ね、本年度内の策定を目指す。

 集約化・重点化は公的病院が対象。圏域で基幹となる「連携強化病院」と、その病院に医師を含めて一定の機能を移す「連携病院」を決める。圏域は、県内八ブロックの二次保健医療圏を一つか複数組み合わせて設定する。

 国の指針によると、連携強化病院は小児科が入院を必要とする救急に二十四時間対応できる病院、産科はリスクの高い出産に対応する「地域周産期母子医療センター」クラスの病院から選ぶとしている。これに相当するのは県内で小児科、産科とも六病院。この指針をベースに、県が独自の基準を設けて選ぶ。

 県庁で二十九日に医療対策協議会が非公開であった。会長の前川剛志山口大医学部長ら委員に県が骨子案を示した。委員から「連携強化病院、連携病院が外来や入院などの機能をどう分担するのか」「集約化の意義や適切な受診の仕方などの啓発も必要」などの意見が出たという。県は骨子案を修正し、年度末までに計画案を提示する。

 県内の小児科は、医師数は増えているが開業医志向が強い。勤務医は一病院当たり一・六四人で、全国平均より〇・九三人少ない。救急の時間外受診の増加も加わり、勤務医の繁忙さが課題になっている。

 産科医は二〇〇六年が百二十一人で、一九九八年の百四十一人に比べて二十人減少。訴訟リスクの高さなどから出産を取り扱う施設が減り、患者が集中して業務が過剰になっている。(高橋清子)




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