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多田正行のCRM Watchdog

2007年11月29日

改正消安法で「売り切り御免」はもうおしまい(前編)

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 消費者向けの耐久消費財を扱うすべての会社にとって、非常に重要な法改正があったのをご存じだろうか。11月14日に可決・成立した改正消費生活用品安全法(消安法)だ。メーカーには消費者に製品の点検時期を通知するなど、新たな義務が生じる(NIKKEI NETの記事)。改正法の施行自体は来年の4月。ルールの詳細は経済産業省が政省令で制定することになる。

 同時期に掲載された日本経済新聞の記事には次のように書かれていた。

 『点検時期の通知は「顧客情報カード」を活用する。メーカーは製品を小売店に卸す際、製造者名、連絡先などを記したカードを添付。消費者はカードの必要部分に住所、氏名などを記入して返送する。メーカーは販売後10年をメドに点検時期が来たことをダイレクトメールなどで通知し、有料で点検や修理をする仕組みだ。』

 その記事によれば、このような法改正は、松下電器産業製の石油暖房機やパロマ工業製の湯沸かし器など、老朽化した製品での大事故が相次いだことが背景にあるという。

 消費者向けの耐久消費財を手掛けるメーカーの多くは、来年4月の施行に向けて、対応に動き出していることだろう。法対応という後ろ向きの対策ではなく、これを機に顧客との密な関係づくりに取り組んではどうだろうか。

 では、その仕組みづくりには何が必要か。過去、筆者がメーカーのアドバイザや研修講師として働いた経験を交えて考察していこう。

顧客情報の収集は意外に困難

 顧客に通知を出すためには顧客情報が必要である。これをどのようにして収集するかが、まず大きな課題になる。

 実際に石油暖房機やガス湯沸かし器を買った人ならば、なぜこれが課題になるのかお分かりになることだろう。例えば購入者が家電量販店で石油暖房機を買うとする。家電量販店は製品に同梱されている製品メーカー発行の品質保証書に店舗印で捺印して、日付を記入し、購入者に渡す。

 購入者が製品の配送を店舗に頼んだのであれば、配送伝票に製品名と配送先の情報(顧客情報)が残されることになる。これは問題ない。ただ、購入者が郊外などの店舗で購入した場合にはどうか。購入者が自家用車に乗せて自宅まで運ぶケースが多い。となると、家電量販店はどこの誰が石油暖房器を買ったのか把握のしようがない。店舗側に記録が残らないからだ。

 一方、家電量販店がポイント・カードの類を発行しているのであれば、そこに製品名の情報が残されるから、とりあえず把握できる。

 だがここで注意したいのは、情報はあくまで家電量販店でとどまっている、ということだ。配送伝票にしても、ポイント・カードの利用者情報にしても、家電量販店が製品メーカーに顧客情報を開示することが必要になる。

 多くの量販店は、製品メーカーに購入者情報を引き渡すことには否定的だ。インターネットが登場し、メーカーが顧客に製品を直接販売できるルートができて以来、量販店には「メーカーに顧客を獲られるのでは」という懐疑心が色濃くある。量販店は「可能な限り協力する」と表明している。「積極的に協力する」とは言っていない。

次ページ  品質保証制度の危うさ  

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プロフィール

 CRM(顧客関係管理)分野で数々の経験を積んできたコンサルタントの多田正行氏がwatchdog(番犬/監視人)として,CRMの現状や将来を語ります。多田氏は1947年生まれ。現在「eCRM塾」主宰。著書に「売れるしくみづくり」(ダイヤモンド社),「コールセンター・マネジメント入門」(悠々社),「コトラーのマーケティング戦略」(PHP研究所)などがある。

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