2007年12月2日 [日]
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「子宮がん」 知識乏しく、健診率低く

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「子宮がん」 知識乏しく、健診率低く

子宮がんアンケートをまとめたトップランナー会の会員=1日、南部徳洲会病院

 子宮がん・卵巣がんを経験した女性や助産師、婦人科医が交流するトップランナー会(玉城勝子代表)が今年県内で実施した子宮がん検診の意識調査で、子宮頸(けい)がんが性交渉によるウイルス(ヒトパピローマウイルス)感染も原因とされていることに対し、「知らない」と答えた人が全体で59%、20代では70%に達していたことが明らかになった。また20代は子宮がん検診を受けたことがない割合が67%に上っており、20代の大半が正しい知識を持っておらず、検診を受けずにがんに罹患(りかん)する危険にさらされていることが浮き彫りになった。
 「トップランナー会」は約5年前、旧県立南部病院に勤めていた仲地廣順医師(現南部徳洲会病院婦人科部長)や助産師、子宮がん・卵巣がん体験者が「同じ病気で苦しむ女性を増やしたくない」との思いで結成。年に2、3回集まり、励まし合い、情報交換している。
 これまでは身近な人たちに検診を勧めてきたが、検診普及を目的に元助産師の比嘉末子さん(65)が中心となってアンケートを企画した。回答数は県内の20代以上の女性545人。会のメンバーが婦人会や職場、会合などで今年4月から10月に実施した。
 子宮がんには、子宮の入り口にできる「頸がん」と奥にできる「体がん」の2種類あり、検診方法が違うことを知らない人が51%に上った。比嘉さんは「集団検診は通常、頸がんのみの検診。ここで『異常なし』と思い込んでいる人もいるが、体がんの検診も別に受けなければならないし、医師や看護師も十分な説明が必要だ」と訴える。
 また、子宮がん検診を1度も受けたことがない理由(複数回答可)としては「症状がない」52%、「忙しい」42%、「恥ずかしい」31%と続く。子宮頸がんは初期は無症状で、自覚症状が出た時はすでに進行がんになっており、無症状でも定期的に検診を受ける必要がある。
 仲地医師は「性体験の低年齢化の一方で晩婚化が進んでおり、20代後半や30代で初めて婦人科を受診し、すでに進行がんだったケースもある」と述べ、早期発見が必要な若い世代に受診が普及していないことを懸念し「積極的に検診を受けてほしい」と呼び掛けている。
 (深沢友紀)

(12/2 9:32)

 

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