ネットで妊婦健診 遠野に公立助産院開院
 | くす玉を割って助産院開院を祝う関係者 |
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東北初となる独立型の公立助産所「遠野市助産院」が1日、岩手県遠野市松崎町の市遠野健康福祉の里内に開院した。IT(情報技術)を活用した遠隔健診によって、市内に産科医がいない現状を補い、市外に通院する妊婦をサポートする。
開院の式典には、市や協力する医療機関の関係者ら約150人が出席し、本田敏秋市長が「医師過疎地の妊婦負担を軽くする試みであり、遠野をお産の里にしたい」とあいさつした。施設の愛称は市民公募で「ねっと・ゆりかご」に決まった。
助産院はお産は扱わないが、助産師1人が妊婦の健診や健康相談に応じ、救急搬送時には24時間対応で同乗する。助産師は来春以降に2人体制にする。
インターネットによる遠隔健診には市外の九つの病院・個人医院の産科医計10人が協力。妊婦は助産院で健診を受けながら、データを受け取った医師とテレビ電話で直接会話もできる。
式典には市内の妊婦も出席し、来月に第三子を出産予定の美容師松田恵子さん(36)は「通院負担が軽くなって助かる」と喜びを語った。