【カイロ=金沢浩明】トルコ軍は1日、イラク北部のトルコとの国境付近にある武装組織、クルド労働者党(PKK)の拠点を砲撃し、大きな損害を与えたと発表した。大規模な越境作戦に発展するかは不明だが、必要があれば追加攻撃も行う姿勢を示している。
同軍によると拠点ではPKKのメンバー50―60人の存在を確認、砲撃や空爆を加えたという。エルドアン首相は11月30日、PKKに対する越境攻撃を許可していた。
イラク北部の山岳地帯は冬季には降雪で閉ざされるため、侵攻作戦はまもなく不可能になる。そのためトルコは拠点の空爆などで、冬季に入る前にできるだけPKKに打撃を与える作戦に出たとみられる。
トルコはクルド人の分離独立を目指すPKKによるトルコ内でのテロを抑止するため10万人規模の兵力をイラクとの国境付近に展開、議会は10月に越境攻撃を承認した。(01:44)