気象・地震

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中越地震:入居資格ない長岡市幹部が仮設住宅に

 新潟県長岡市にある中越地震(04年10月)の仮設住宅に、入居資格のない渡辺斉(ひとし)・市復興管理監(54)が先月初めまで、約2年間住んでいたことが分かった。賃料も払っていなかった。復興管理監は、地震後に復興支援のために設けた特別職。渡辺氏は「資格がないことは知っていたが、被災者と仮設住宅で暮らすのが使命と思った」と釈明している。しかし、仮設住民からは「別荘代わりにしている」などの批判が相次いでいた。【根本太一】

 仮設住宅は災害救助法に基づき、県が国の補助を受けて建設した。入居は自宅再建中か、他に住む場所の確保が難しい被災者らに限定し、家賃は無料。市などによると、新潟市の渡辺氏の自宅は被災を免れ、本来は入居できないはずだった。

 復興管理監は市長、副市長に次ぐナンバー3のポストで、渡辺氏は05年9月、県から出向して就任。渡辺氏は長岡市に単身赴任しており、就任間もなく千歳地区の仮設住宅に入り、同住宅の撤去が決まった今年9月以降は、住民が一時全村避難した旧山古志村民が住む陽光台の仮設に移った。

 渡辺氏は入居当時、仮設住宅に空室があったため、「私が住むので鍵をくれ」と市の担当職員に依頼。この職員は「上司だったので、断れなかった」と話している。

 一方、仮設住宅の入居期限は2年だったが、自宅再建のめどが立たない人が多く、1年間延長。今月末ですべて撤去される予定で、市は今年4月から、仮設住宅の被災者に文書や口頭で再三、早期退去を要請している。

 高橋譲・市総務部長は無資格入居について、「不適切かもしれないが、特別職には『通勤』『住宅』などの諸手当はなく、仕方のない面もある」とする。しかし、陽光台の仮設住民らは「市は私らには早く出るよう促しているのに、腹立たしい」「理不尽」などと批判。市幹部からも「被災者が納得しない」と問題視する声が出始め、先月初めに退去したという。

 渡辺氏は毎日新聞の取材に「誤解を招いたとしたら遺憾。今は長岡市内にアパートを借りている」と話している。

 中越地震では約12万棟の住宅被害があり、8市町村で計3460戸の仮設住宅が建設された。長岡市ではピーク時(05年1月1日)に21カ所で1595世帯5099人が暮らし、現在の入居者は約200人。

毎日新聞 2007年12月2日 2時30分

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