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景気「足踏み」、倍増の32社 本社主要100社調査

2007年12月01日22時31分

 朝日新聞社が全国の主要100社を対象に実施した景気アンケートで、景気が「足踏み状態にある」との回答が前回6月調査の倍の32社に急増し、前回はゼロだった「緩やかに下降」と答えた企業も5社あった。緩やかな回復が続いているとの見方がなお多数派だが、米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題や原油高が経営に悪影響を与えるとの警戒感が広がり、景気について弱気な見方が増え始めている。

 調査は年2回実施。今回は11月12〜26日の間に製造業と非製造業の各50社を対象に、原則として社長ら経営トップに面談して集計した。

 景気の現状判断は「拡大」と「緩やかに回復」が計63社と大勢で、企業業績の好調を理由にあげる経営者が多い。しかし、前回比では21社減。「サブプライムの影響がどの程度拡大するかも不透明で、全く先が読めなくなった」(京セラの川村誠社長)などと、景気減速に警戒を強める経営者が目立った。「緩やかに下降」の回答があったのは04年11月調査での2社以来3年ぶりだ。

 今後の懸念材料(二つまで選択)では、83社が「米国経済の先行き」を挙げ、「原油価格の上昇」の37社、「個人消費の停滞」の17社などその他の回答を大きく上回った。三菱重工業の佃和夫社長は「米国経済の減速で、国内景気の牽引(けん・いん)役の輸出が鈍る恐れがある。国内設備投資や生産の減速と悪循環を招きかねない」とみる。

 サブプライム問題で自社の経営に「影響を受けている」と答えた企業は16社にとどまったが、「将来的に影響が懸念される」という企業も39社あり、過半数が経営への影響を心配している。

 景気の先行きについては、「すでに拡大期が終わった」が7社、「拡大期は07年度内は続く」が25社で、3分の1近くが、年度が変わるころまでには調整局面に入るとの見方だ。ただ、「08年度内は拡大期が続く」が28社、「09年度以降も続く」が20社で、半数近くの企業は、景気の急な腰折れはないとの判断を維持している。

 エイチ・ツー・オーリテイリングの若林純社長は「米国がダメになっても中国が出てくるなど、今の経済は牽引役がうまく代わる」と、新興国の成長に期待をかける。

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