千葉放送局

2007年12月1日 11時34分更新

病院“民間譲渡”反対相次ぐ


厳しい経営が続く館山市の「安房医師会病院」を経営する医師会が、病院経営の民間譲渡を検討していることについて、地元の自治体で作る広域事務組合の議会が30日館山市で開かれ、出席した議員からは民間譲渡に反対する意見が相次ぎました。

「安房医師会病院」は、館山市など4つの市と町の医師で作る「安房医師会」が周辺の自治体などから補助金を受けて運営しています。災害時の拠点病院として平成12年から24時間、救急診療を行っていますが、財政難と医師不足などから一時、一部の病棟が閉鎖に追い込まれたほか、救急診療の継続が厳しくなっています。
30日は、館山市など周辺の自治体で作る広域事務組合の議会が開かれ、安房医師会の宮川準会長が病院の経営権を公募で譲り渡すことを検討していることなどについて説明しました。
これに対し、出席した議員からは「説明が不十分だ」とか、「ほかの方法経営を立て直せないのか」などといった民間譲渡に反対する意見が相次ぎました。
議会のあと、宮川会長は「救急医療ができなくては、病院の存在意味がない。経営破たんしてからでは遅く、今から手を打つべきだ」と話しました。
安房医師会は、地元住民に対しても説明会を開くなどして理解を得たうえで、今後の対応を決めることにしています。