きのうは謝罪会見ばやりだった。テレビのワイドショーは、さぞ忙しかったことだろう 会見の場に、決まって背を向ける先輩記者がいた。「自分に都合のいいことしか話さないだろう」が、その理由。確かに「大本営発表」だけがニュースではない。出直しを誓うボクサーと大相撲の横綱の殊勝な会見も、芸能ネタのような騒ぎだから、演出あり、リハーサル済みと、いささかの色眼鏡で見た方がいいだろう 騒ぎの発端は少年ボクサーや横綱とその取り巻きだが、それに輪をかけたのはマスコミであろう。カネとひまにあかせ、海外にまでカメラをかついで飛び回り、逃げる・追いかけるの泥仕合であった 隣の貧乏は雁(がん)の味、という。落ち目になった他人の姿は心地よいという品性よろしからぬ心根が、私たちにあるのも事実だが、それを自制する意志もある。芝居っ気たっぷりの謝罪会見に、時に背を向けるのも大事だろう 「宴席にいた」「いない」という国会で続いてきた泥仕合は、証人喚問見送りで収まった。双方が手詰まりの中での「手打ち」だが、審議空転の愚は回避された。センセイ方も、たまにはやってくれる。
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