栃木県今市市(現日光市)の市立大沢小1年、吉田有希ちゃん(当時7歳)が連れ去られ殺害された事件は、12月1日で発生から2年を迎える。栃木・茨城両県警合同捜査本部は30日記者会見し、連れ去り現場近くで目撃された2台の不審車のイラストを公開した。
公開されたイラストはいずれも白いセダンとワゴン車の2タイプ。セダンは全体的に角張っており、汚れて古ぼけていたうえ、左後部のバンパー付近にへこみがあった。ワゴン車は、左側中央に小ぶりな動物のぬいぐるみが多数つり下げられていたのが窓越しに見え、後部窓内側にはパイプが取り付けられていた。セダンは有希ちゃんと一緒に下校していた同級生が、ワゴン車は空き地に停車しているのを自営業の男性が目撃した。現場近くでは、ほかに黒のステーションワゴンも目撃されたが、特徴がなくイラストを作成できなかった。
また茨城県常陸大宮市の遺棄現場近くで、1日午後11時40分から50分ごろ、宇都宮ナンバーのセダンが目撃されていたことも発表した。目撃した同市内の女性は「市内の県道を低速走行し、道沿いの駐車場でUターンした」と話したという。
会見で栃木県警の伏木一雄捜査1課長は「何としても解決できるように新たな気持ちで地道な捜査を続けていきたい」と語った。
下校中に行方不明となった有希ちゃんは翌2日、約65キロ離れた常陸大宮市の山林で刺殺体で見つかった。胸に約10カ所の刺し傷があった。捜査本部は現在も200人態勢で捜査を継続、30日現在で延べ約14万人の捜査員を投入したが、逮捕に結び付く有力な情報は得られていない。
【山下俊輔、山本将克】
毎日新聞 2007年11月30日 11時54分 (最終更新時間 11月30日 12時56分)