額賀財務相の証人喚問、見送りに
守屋容疑者らとの「宴席同席問題」をめぐり、来週予定されていた額賀財務大臣の証人喚問の見送りが決まりました。福田政権を追い込むと意気込んでいた民主党でしたが、結果的に勇み足となりました。 「(喚問は)中止であるということでございますから、淡々とそれに従います」(額賀福四郎 財務相) 今週火曜日、参議院の財政金融委員会は、与党が反対するなか、野党だけで12月3日に額賀大臣と守屋容疑者の証人喚問を行うことを議決していました。 しかし、これについて与党が江田参議院議長に抗議したほか、同じ野党の共産党などからも「全会一致でない議決は間違っていた」との声が上がり、民主党も守屋容疑者の逮捕で2人の同時喚問ができなくなったことを表向きの理由として、喚問を引っ込めた形です。 「(2人を)同時に呼んで証言を受けたいという当初の目的から、急きょ守屋さんが逮捕されるという状況で、その前提は崩れた」(民主党 輿石東 参院会長) 「結論がよければいいんじゃないですか。それ以上ありません」(福田首相) 「『額賀氏が会合にいたら福田内閣は吹っ飛ぶ』と党首が言ったが、そのまま民主党の党首にお返ししたい」(自民党 伊吹文明 幹事長) 額賀大臣一人の喚問でも、結果によっては政権を揺さぶることができるという民主党の思惑は、もろくも崩れた形となりました。 喚問の舞台となる参議院では慎重論が大勢でしたが、民主党はここが勝負どころと、衆議院側の主導で全会一致が慣例の証人喚問の議決も多数決で行うに至りました。 額賀大臣一人の喚問でも意味があると強気の姿勢で突っ走った背景には、宴席同席をめぐって、額賀氏の偽証となれば、それだけで福田政権を揺さぶれるという思惑がありました。 しかし、民主党の追及の根拠となった守屋証言のほかの証拠など決め手を欠いたうえに、29日になって共産党など他の野党から一斉に慎重論が広がり、孤立した状況となったことが大きなブレーキとなったのです。 「いずれにしても参議院が行っていることですから」(参議院 山岡賢次 国対委員長) これまで主導していた衆議院側から一転、最終的な判断をゆだねられた民主党の参議院側には、不満が渦巻いています。 「僕たちは判断できない。もう少し上のレベルだ」(参議院 平田健二 幹事長) 党内にしこりを残す結果となりましたが、ある参院議員は「いまは総選挙の争点を絞りこむ過程の中にいるんだ」と述べ、そこには、早く本来の政策議論に戻したいという思いがにじんで見えました。(30日20:41)
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