自家醸造、100の自問自答-16

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(16). 酵母の代謝について

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酵母の糖の取り込みについて。
  • 発酵とは、酵母により糖からアルコールと炭酸ガスを作り出す行程、である。
  • 酵母が糖を取り込むメカニズムを示す。
    • フルクトース、マルトース、マルトトリオースは酵母内でグルコースに変換され、代謝される。
    • スクロースは細胞膜内にある酵素でグルコースとフルクトースに分解され、利用される。
    • デキストリンを細胞内に吸収する酵素は無い。
    • 酵母が糖をうまく吸収できる酵母を使わないといけない。
      • 良いビールを造るには、新しい酵母が必要。
      • 健康で新しい酵母は、糖の吸収がとても良い。
      • 健康な酵母をpitching すると、12〜24 時間で発酵が始まる。
    • 健康でない酵母は、糖の吸収が悪い。
      • 発酵が起こるまでに時間がかかる。
      • piching 後24 時間で発酵が始まらないときは、健康でない酵母である。
      • 雑菌汚染の危険がある
  • 1000リットルのビールを造るには、600〜650グラムの酵母が必要。
    • 実際には500グラムでOK。
    • 酵母一袋が500グラムであるから。

 酵母の代謝について。

  • 発酵の第1段階
    • EMP経路はグルコースから始まり、最終産物はピルビン酸である。
    • この経路にはMgとZnが必要。
    • 元気な酵母でないと、各酵素が働かない。
  • 発酵段階はピルビン酸からアセトアルデヒドを経てエチルアルコールになる反応をいう。
    • 嫌気性状態では上記の反応が起こり、ピルビン酸からアセトアルデヒドを経てエタノールが出来る。
    • この反応を発酵という。
    • Mg、Zn が必要である。
    • 若いビールにはアセトアルデヒド臭(リンゴ臭)がする。

フーゼルアルコールについて。

  • エタノールはグルコースから出来る。
  • フーゼルアルコールはアミノ酸から出来る。
  • フーゼルアルコールの出来る条件。
    • 発酵温度が高いとき。
    • 酵母の種属

酵母がもたらすフレーバーについて。

  • アルコール
  • アセトアルデヒド
  • エステル
    • エステルとはアルコールと酸とが合体したもの
    • 色々なアルコール(フーゼルアルコール)と色々な酸とが合体する。
    • (例)エチルアセテート:シンナー臭
    • 90種類ほどある。
    • 発酵温度が高く、エアレーションが少ないときにエステルは出来やすい。
  • 有機酸
    • 発酵温度と熟成温度が高いと出来やすい。
    • 発酵温度と熟成温度が低いと産生量は少ない。
    • カプロン酸(山羊のチーズ臭)、カプリル酸など。
    • 低量であれば、ビールの美味しさを作る要素。
    • 発酵温度、熟成温度、O2レベル、熟成期間などでコントロールすることが出来る。
  • ケトン
    • ダイアセチル
    • ダイアセチルも適量であれば、カラメルモルトやチョコレートモルトのフレーバーを強める。
  • 硫黄化合物
  • フェノール
    • ヴァイツェン酵母の作り出すクローブの香り、など。


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