(cache) 自家醸造、100の自問自答-15
ホップの苦みについて。
- ホップのまり花の中にルプリン顆粒がある。
- α酸
- フムロン
- コフムロン
- アドフムロン
- ホップの品種により組成は異なる。
- α酸が少ないホップ
- α酸が多いホップ
- マグナム:α酸 13%
- この%はホップの全重量の割合を意味する。
- 苦みの単位
- IBU
- 1
IBUとはビール1リットルに含まれるイソα酸が1mg含まれることを意味する。
- 麦汁を加熱することにより、α酸は異性化されてイソα酸となり、初めて麦汁にとけ込む。
- α酸自体は麦汁にはとけ込まない。
- α酸の異性化について
- 麦汁の濃度、煮沸時間によって異なる。
- 麦汁の比重が低い、煮沸時間が長いと異性化率が高くなる。
- α酸のすべてが、麦汁の煮沸によって異性化されない。20〜30%までである。
- この20〜30%を抽出率%いう。
- 抽出率%のチャートがある。
- pelletはホールに比べて抽出率%がよい。
- Hopの投入量の計算式について。
- キリンのラガーはIBUが25である。
- ホップ量={IBU(25)÷(α酸値×抽出率%×1000)}×仕込み量(l)
- ビールの苦みを決定する因子として。
- 甘みがあれば苦みは少なくなる。
- 苦みは甘みとの関係で異なる。
- BU/GU比について。
- 初期比重(OG):1050 とする。50をGUという。
- GUとはgravity unit のこと。
- BU/GU比でビールの苦みを判断する。(BUとはIBUのこと)
- BU/GU比は、0.2から1.20までの範囲である。
- ビールの苦みを評価するときにはIBU値のみでは不十分
- 市販ビールのBU/GU比について。
- スーパードライ:BU/GU比=0.34
- 一番絞り:BU/GU比=0.42
- 黒ラベル:BU/GU比=0.48
- モルツ:BU/GU比=0.44
- キリンラガー:BU/GU比=0.57
- えびす:BU/GU比=0.53
- バッドワイザー:BU/GU比=0.25
- 麦汁ののPHが高いと、苦みは強くなり、重い苦みになる。
- フムロン:クリーンな苦み
- コフムロン:粗い苦み、重い苦み、渋みを伴う苦み
- 麦汁のPHが高いと、コフムロンが多く引き出され、フムロンはあまり引き出されない。
- 煮沸時の麦汁のPHが高いと、コフムロン中心の苦みになる。
- 麦汁のPHが5.0〜5.3:フムロンが多く引き出される。
- 麦汁のPHが5.4
以上:コフムロンが多く引き出される。
- ホップの苦みをきれいに出すには麦汁のPHが低いといけない。
- 麦汁のPHを5.0〜5.3にすることが、クリーンな苦みのビールへの挑戦になる。
- イギリスのバートン・オン・トレッドの水は硫酸塩がおおく麦汁のPHは低い。
- フムロンのクリーンなホップの苦みの利いたビールが出来る。(バスペールエール)
- 南ドイツ(バーバリア地方)の水は炭酸塩が多くPHが高い。
- コフムロンの苦みが強く出る。
- ホップを使いすぎると、粗く、重い苦みのビールが出来る。
- この地方のビールはイギリスのペールエールに比べてホップの使用量は少ない。
- 炭酸塩のために、それでも苦く感じる。
- ホップの種類によりコフムロンの含有率が異なる。

- Brewer's Gold や Cascade
はコフムロンの含有量が多いホップになる。
- H.Hersbrucker、H.Mittelfruh、Saaz、Tettnang、Spalt
などはコフムロンの含有量は少ない。
- α酸の特徴として、
- 酸化しやすい。
- ホップ本来の苦みが減少する。
- pelletの方がwhole より酸化に対して長持ちする。
- 古いホップにはイソヴァレリアン酸が出現する。

- 上の表は、ホップのα酸値は一年間の保管で、約半分近く減少することを示している。
- 製品のビールでもビール中のイソα酸は、時間と共に減少していく。
- ビールを飲んで苦みが少ないときは
- 使ったホップが古い。
- 瓶詰め、缶詰め後、かなりな時間がたっている。
- 保管温度が2倍高いと、4倍のスピードで苦みは少なくなる。
- β酸の特徴として、
ホップのアロマについて。
- ホップのまり花の中にあるルプリン顆粒の精油成分がアロマの由来
- 精油成分には、
- ミルセン-----香りとしてのパワーが強い。
- フムレン-----香りとしてのパワーが弱い。
- ファルネセン
- カリオフレン
- 実際のビールでは、これらの精油成分の酸化したアロマが残る。
- ドライホッピングをすれば、ホップの酸化していない精油成分のアロマを浸けることが出来る。
- 精油成分の酸化したアロマについて、
- ミルセンの酸化--------スパイシィ、柑橘系の香り(香りのパワーが強い)
- フムレンの酸化--------スパイシィ、フローラルな香り(香りとしてのパワーは弱い)
- ファルネセンの酸化-----フローラル、パイン系の香り
- カリオフレンの酸化-----ハーブ系の香り
- Saaz(チェコ)と H.Hersbrucker(ドイツ)との比較

- H.Hersbrucker では、
- ファルネセンが0%であり、Saaz
ほどフローラルな香りはない。
- むしろスパイシィな香りがする。
- また、ミルセンが少なく、香りとしてのパワーが少ない。
- Saaz では、
- フムレン、ファルネセンの効果より、非常にフローラルな香りがする。
- ミルセンの割合が多く、香りとしてのパワーもH.Hersbrucker
より強い。
- チェコのホップとドイツホップの大きな違いがここにある。
- Cascade(アメリカ産)の特徴

- Cascade
の大きな特徴はフムレンが少なく、ミルセンの割合が51.4%と非常に高い。
- ミルセンは香りとしてのパワーが非常に強い。
- そのために、スパイシィで柑橘系の香りが非常強いホップとしての特徴を持つ。
- ファルネセンが少ないので、フローラルな香りは少ない。
- Saaz、H.Hersbrucker と Cascadeの比較。
- フムレンは香りとしてのパワーは強くない。
- Saaz、H.Hersbrucker(チェコ、ドイツ産のホップ)は香りはそんなに強いものではない。
- Cascade(アメリカ産のホップ)はミルセンが多く、香りとしてのパワーが強い。
- ドイツ人はミルセンを下品な香りといい、フムレンを上品な香りと言う。
- Noble hops について
- アロマホップを指す。
- Noble hops の条件
- α酸値が5%以下
- コフムロンが25〜26%
- ミルセンが20%前後と低レベル
- Noble hops の条件に合うホップは4つしかない。
- Saaz
- Hallertauer Mittelfruh
- Tettnang
- Spalt
- H.Hersbrucker はNoble hops の条件に合わない。
- H.Hersbruckerはコフムロンの割合が28%と高い。