(cache) 自家醸造、100の自問自答-14
スパージングについて。
- スパージングのお湯について。
- 温度
- ぬるいとうまく麦芽の粕から糖分を回収できない。
- 高いとタンニンが多く融出される。
- 77℃が限界。75℃でもOK。
- 量
- 量が多くなると取り出される麦汁の量が多くなり、比重が下がる。
- 量が少ないと、麦汁の比重が高くなる。
- 最終的には、目的とする麦汁の比重、量をメルクマールにして行う。
- いわゆる二番絞りのpHにも注意を払う必要がある。
- 徐々にpHが高くなってくるので注意。
- pHが高くなると、タンニンが多く融出される。
- スパージングに使うお湯の量について
- 3.5 (l/Kg)の濃度のマッシュ液では、2.5〜3.0
(l/Kg)のお湯を使う。
- 2.5 (l/Kg)の濃度のマッシュ液では、3.5〜4.0
(l/Kg)のお湯を使う。
- 1.5 (l/Kg)の濃度のマッシュ液では、4.5〜5.0
(l/Kg)のお湯を使う。
- すなわち、回収する麦汁の比重を、一定にする。
- 麦汁の温度が60℃以下になると、ラクトバシルスなどの乳酸菌が繁殖し、乳酸が作られ酸っぱいビールが出来る。
- 時間がかかると、乳酸菌の影響が出る可能性がある事を認識すべきである。
- 繁殖した乳酸菌は後の煮沸行程ですべて死滅するが、作られた乳酸は残る。
- 麦汁は速やかに煮沸釜に入れて、煮沸しないといけない。
- やれやれと思って、休憩する時間はない。
煮沸行程について。
- スパージングを終えた麦汁は速やかに煮沸釜に入れる。
- その時に麦汁と空気とが激しく混ざり合うといけない。
- 酸素がとけ込み、酸化メラノイジンが形成されビールの酸化の原因となる。
- 地ビールの中で、酸化の激しいビールは、ここの行程で空気と混ざり合うのが原因が多い。
- 自ビールでは、空気を混ざり合うことを防ぐためにも出来る限り静かに行う事が重要になる。
- 煮沸の目的。
- バクテリアの死滅。
- 麦芽には初めから色々な菌がついている。
- このことは、認識すべき事である。
- 酵素の活性を止める。
- ホットブレイクを作る。
- 麦汁にはタンパク質やタンニンが含まれている。
- それらは雑味や雑臭の原因となる。
- 100℃の1時間の煮沸で、タンパク質が凝固して大きな固まりとなる。
- ホップのα酸を異性化する。
- カラメル化により、麦汁に特有のフレーバーと色を付ける。
- 1時間煮沸すれば麦汁の色はさらに濃くなる。
- ガスコンロでは色が濃くなりやすい。
- 淡色系のビールを造るときは、スティーム釜を用いるのが理想。
- DMSの除去。
- 麦芽の中に含まれるSMM(Sメチルメチオニン)は70℃以上になるとDMSになり、即座に蒸発する。
- SMMからDMSへの変化は徐々に進行する。
- 1時間は煮沸しないと、充分にDMSを蒸発させることが出来ない。
- 2時間以上煮沸させると、メイラード反応が強く起こり、メラノイジンが生成され麦汁の色が濃くなる。
- 一方、メラノイジンが空気を巻き込むことにより、酸化メラノイジンが多く作られる。
- 酸化メラノイジンはビールの酸化の原因となる。
- 2時間以上煮沸したビールは、麦芽のフレーバーが不快になる。
- 麦汁を長時間(4時間ぐらい)煮沸した経験があるが、その時のビールは、ビールの劣化で感じられる渋みとは異なった言い様のない渋みを感じた。
- 煮沸は1時間以上2時間以内が原則。