(cache) 自家醸造、100の自問自答-10
- モルティングについて。
- 穀物を発芽させて穀芽(麦芽)を造ることをモルティングという。
- 大麦の発芽の条件
- 何故、大麦を発芽させて麦芽を造るか?米やコーンではいけないのか?
- 大麦を麦芽にしたものは、ビールらしいフレーバーをつくる。
- 麦芽の殻を、うまく利用できる。
- 麦汁と粕とを分離するときに、フィルターとしての役目を果たす。
- 米の殻より、大麦の殻の方がフィルターとしての効率がよい。
- 大麦は安く安定して入手出来る。
- 大麦は食用としては適さない。
- 収穫量は、小麦>コーン>大麦の順に多い。
- 発芽の最大の目的は、
- 大麦麦芽の中に酵素を作り出すこと。
- 大麦はデンプンを糖に変える酵素を一番よく持っている。
- 米より米芽、コーンよりコーン芽が出来るが、麦芽ほど酵素を持っていない。
- 米を発芽させて米芽というものを造ることは出来るが、酵素の量が少なくそれを使って、後の行程である糖化は困難ということになる。
- モルティングの行程
- 発芽
- 12℃の温度の水に大麦を48時間浸ける。
- 石で出来た床に広げる。
- 3日目に麦の中に芽(葉芽)が出きる。
- 5日目には芽が出てきて、多量の酵素が作られる。
- 8日目、発芽する前に発育を止める。(グリーンモルトという。)
- 焙燥
- 60℃で乾燥させて、水分を取り除く。
- その後、低温焙燥、高温焙燥する。
- 低温焙燥
- 80〜85℃になったときに焙燥を止める。-----ピルスナーモルト、ラガーモルト
- 90〜95℃になったときに焙燥を止める。-----ペールエールモルト、ウインナーモルト
- 100〜115℃になったときに焙燥を止める----ミュンヘンモルト
- 以上が代表的なbase malt
- 115℃以上で焙燥すると酵素が死んでしまう。
- 焙燥温度でbase malt
の色合いとフレーバーが決定される。
- すなわち、黄金色のピルスナータイプのビールではピルスナーモルト、ラガーモルトを使用し、モルトの風味の豊かで色の濃い南ドイツ地方のデゥンケルラガーではミュンヘンモルトをbase
maltとして使用する。
- 高温焙燥
- 160〜180℃で焙燥を止める。-----チョコレートモルト
- 220℃で焙燥を止める。------------ブラックモルト
- クリスタルモルト(アンバーモルト)
- グリーンモルトを乾燥せず、30〜120分間蒸す。
- 乾燥させ120℃で焙燥を止める。------ライトクリスタルモルト
- 160℃で焙燥を止める。-------------ダーククリスタルモルト
- 生の大麦を220〜230℃で焙燥-----------ローストバーレイ
- 麦芽の色について。
- アメリカとヨーロッパとでは表記法が異なる。
- アメリカ---麦芽の色をロビボンド値(゜L)、ビールの色をSRMで表す。
- ヨーロッパ---麦芽の色、ビールの色、共にEBC
で表す。
- SRM≒EBC÷2 である。
- ピルスナーモルト(ラガーモルト)------2.4 EBC
- ペールエールモルト----------------4〜6 EBC
- ウインナーモルト------------------8.0 EBC
- ミュンヘンモルト------------------14 EBC
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(橘 克英)迄。
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作成日時 2003年7月31日