パネリストの意見に聞き入る参加者ら(野田徹)
 熊本日日新聞社の地域交流事業「地域とともに こんにちは熊日ですin熊本市」の2回目が25日、同市大江の熊本学園大を主会場に開かれた。県、同市、市教委の後援。

 メーン企画の地域フォーラム「くまもと都市戦略―政令市を考える」では、元三重県知事で早稲田大大学院教授の北川正恭氏が「成熟社会のガバナンス〜依存から自立へ〜」と題し特別講演。4月に政令市に移行した新潟市の篠田昭市長が「新・新潟市の挑戦『共に育つ』政令市を目指して」と題して基調講演した。

 潮谷義子知事、幸山政史熊本市長、熊本経済同友会副代表幹事の大久保太郎氏が加わったパネル討論では、地方分権の進展などを見据えながら、県都・熊本市が目指すべき都市像について、政令市への移行問題を軸に意見を交わした。

 関連イベントでは同大で「大庭照子 童謡コンサート」「ふれあい体験音楽会」「報道写真展と熊日のふるさと写真館」、高平台小で「ロッソ熊本のサッカー教室」があった。

 高峰武・熊日編集局長 今日は熊本市の将来について、政令市をキーワードに考えていきたい。熊本は明治の一時期、九州一の都市であったが、その後、大きく変遷。新幹線開通が目前に迫り、道州制の議論が起きている今は、まさに歴史の転換点と言っていいと思う。熊本市がなぜ政令市を目指すのか、まず幸山政史市長に伺いたい。 …

 
■パネリスト  
・熊本市長 幸山政史さん
・熊本県知事 潮谷義子さん
・熊本経済同友会副代表幹事 大久保太郎さん
・早稲田大大学院教授 北川正恭さん
・新潟市長 篠田昭さん
■コーディネーター 
・熊日編集局長 高峰 武

早稲田大大学院教授・北川正恭さん
「成熟社会のガバナンス〜依存から自立へ〜」
 未成熟な社会、未開発な国は、例外なく中央集権を取っている。いわゆる権力を中央に集めるということであり、明治維新以来、百四十年ほど続いたシステムだ。…
新潟市長・篠田昭さん
「新・新潟市の挑戦『共に育つ』政令市を目指して」
 新潟市は二〇〇七年四月、十五市町村の合併を経て、本州日本海側で初の政令市となった。新潟にとっての政令市移行は、発展の著しい中国やロシアを見据えた東アジアと向き合う環日本海の中枢拠点都市をつくる明確な位置付けと同時に、格差解消のカギである雇用機会の創出に大きなインパクトを与えた。…
■開会あいさつ 熊日常務 田川憲生
「地域とともに こんにちは熊日です」は、熊日が各地にお伺いして地元の皆さまと一緒になってまちづくりの課題を考え、地域の魅力や、地域の情報を発信しようという地域交流事業です。本日は今月11日に続く熊本市での2回目の開催です。 …


熊本日日新聞2007年11月30日朝刊