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【静岡】

病院連携し成人血友病患者に安心医療 小児科から内科へスムーズな転科目指す

2007年11月30日

 静岡県成人血友病ネットワークは、血友病の子どもが成人後に小児科から血液内科へスムーズに転科できる体制づくりに取り組んでいる。血友病治療に詳しい内科医が県内を含め全国的に少ないこともあり、小児科で治療を続けている患者が目立つためだ。

 ネットワークは4月に設立。血友病の子どもが通う県立こども病院と核病院の藤枝市立総合病院のほか、血友病の治療実績がある浜松医科大付属病院、沼津市立病院、順天堂大付属静岡病院など県西部、中部、東部の各3、4病院が基幹病院として参加している。

 県立こども病院に通院している成人患者を、まず藤枝市立総合病院で診察。状態を見極め、自宅から通いやすい基幹病院に紹介する。その上で患者情報や治療法を共有し、紹介元の病院で1年に一度ほど定期的に治療法が適切かどうかなどを検討する。

 このように病院間で連携するほか、年2回勉強会を開き、血友病などの出血性疾患が診療できる内科医の育成も目指す。代表世話人の毛利博藤枝市立総合病院副院長(58)は「このような取り組みは全国初の試み。血友病患者の皆さんが安心して医療を受けられるシステムを確立したい」と話している。

 血友病 血液を固める要素の欠損により血液の凝固機能が損なわれる疾患。性染色体異常による先天性で、患者のほとんどが男性で、出生男子の1万人に1人の割合。今のところ根治治療はなく、血液の足りない因子を注射などで補って止血管理をする。

 

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