県内市町村が実施する一般世帯の妊婦健診への公費負担の平均回数は1・6回(今年8月時点)で、全国ワースト3の水準にとどまっている。29日の県議会少子・高齢化社会対策特別委員会で、厚生労働省の調査として明らかになった。
県によると、22の市町村が来年度の回数増を検討中だが、県はさらに充実を要請するとしている。全国平均は2・8回。トップは秋田県で10回、福島県の5・8回などが続く。県より少ないのは兵庫県の1・4回、大阪府の1・2回のみで、いずれも近畿だった。
市町村別では明日香村、天川村、上北山村が5回で最多。天理市、橿原市、黒滝村の3回が次に多い。2回は奈良市や大和高田市など6市村、残る27市町村が1回のみ。1回のうち、三郷、安堵、川西、三宅、曽爾、高取、上牧の各町村は9月時点での県の調査に「来年度も回数増の予定がない」と回答している。
厚生労働省は妊娠中に受ける妊婦健診について14回程度が望ましく、最低でも5回は必要としている。同省で原則5回の公費助成を通知しているが、義務ではなく、自治体ごとにばらついている。橿原市の妊婦死産問題では、妊婦健診を受けていなかったことが救急搬送先探し難航の要因の一つと指摘された。【中村敦茂】
毎日新聞 2007年11月30日