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【福井】

地域医療充実へ医師派遣 県立病院、来年度から

2007年11月30日

 丹南や奥越など、医師不足が指摘される地域の医療体制を充実させるため、県は来年度、福井市の県立病院から医師を派遣する「地域医療支援ドクター確保事業」を始める。派遣するのは二年間の義務研修を終えた後期研修生と呼ばれる医師。同病院では「家庭医」という専門医の認定が受けられるプログラムを設け、研修生を募っている。

 国や県によると、県内在住の医師数は二〇〇六年五月現在、千六百七十人。人口十万人当たりの医師数は、全国平均の二百一人に対し県平均は二百二人とほぼ同数を確保しているが、地域別に見ると、奥越では百八人、丹南では百十六人にとどまり、地域的な偏在が明らかになっている。

 県が、不足人数について県内八十五の医療機関に聞いたアンケートでは、三十一機関が「不足している」と回答し、その人数は計六十人に上った。内訳では内科医の不足が二十三人と際立った。

 県は幅広い分野への臨床能力を有し、一部で注目が高まっているという家庭医を養成するプログラムを設けて医師を募集。地域医療を担うことが期待される各公立病院を中心に、研修の一環として派遣する方針。

 派遣期間は四年の研修期間のうち二年間で、残る二年間は県立病院の各診療科を回る。〇八年度分の募集定員は二人だが、〇九年度以降も募集を続けることで「ゆくゆくは(同病院が抱える研修医数を)八人にしたい」との構想もある。

 (小柳保志)

 

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