ここから本文エリア 分娩制限を回避へ 医師を確保2007年11月29日 県内で最も分娩(ぶん・べん)数の多い市立甲府病院(甲府市増坪町)の産婦人科が、12月16日から再び3人態勢になり、分娩制限をしなくても済む見通しとなった。社会保険山梨病院(同市朝日3丁目)の産婦人科医が市立甲府病院に移ることになったためだ。ただ社保山梨病院では検診事業や婦人科外来を維持するため、山梨大医学部付属病院から毎日、非常勤の産婦人科医の派遣を受けることになった。 ■社保山梨病院 後任、梨大から非常勤派遣 市立甲府病院の新たな医師は、社保山梨病院に13年間勤務した産婦人科部長。12月15日付で退職し、16日から市立甲府病院に勤務する。 市立甲府病院の産婦人科では従来、新潟大学からローテーションで医師の派遣を受けてきた。しかし、今年3月末で4人が3人になり、9月末には2人になっていた。そのため、県内の他病院の医師が応援で診察に加わるなどして支えてきたが、常勤医2人だけでは今後、分娩数を制限せざるを得ないとみられていた。 一方、社保山梨病院では、昨年7月から産婦人科医は部長1人になっていた。分娩は中止したが、がん検診や婦人科系疾患の診療をしてきた。年間約5500人の婦人科系のがん検診を含め、婦人科が関係する事業所の健診は約3万6千人に上る。病院全体の健診総数の45%にあたる。 今回の市立甲府病院への医師の「異動」で、産婦人科医がゼロになると病院全体への影響が大きい。そのため、山梨大医学部付属病院では、毎日、非常勤の産婦人科医を派遣し、外来患者や検診・健診を受ける人に影響がでないように「支援」することになった。 県によると、市立甲府病院の06年度の分娩数は844件と、県内で最も多い。今年度は10月までに415件を扱った。県内では今年10月、塩山市民病院(甲州市塩山)で分娩が中止。市立甲府病院は今後、市外からの利用者が増えると見られていた。 市立甲府病院の赤羽賢浩院長は「緊急事態は去り、ほっとしている」と話した。社保山梨病院の飯田龍一院長は「産婦人科医の将来や地域貢献のことを考えて受け入れた」と話した。 マイタウン山梨
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