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ガイド:鳥羽 賢
掲載日:2007年05月17日

まもなく崩壊か?中国バブル

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北京五輪と中国政府のジレンマ

中国
中国は来年に北京五輪を控えて慎重になっている。
2月末の世界同時株安を覚えているでしょうか? あの時は上海市場の下落をきっかけに、世界中の株が一気に下がりました。そして上海市場の株が下がった原因は「中国政府がキャピタルゲイン課税を強化する」という噂が、中国の投資家の間に流れたことだと言われています。

ただの噂だけであれだけ株価が下がったのです。これが噂ではなく「現実」として、キャピタルゲイン課税の強化を実施すると発表したらどうなるでしょうか? 2月末の時とは比較にならないほど、上海の市場では売り一色になることでしょう。

しかし中国は、そんなに無理やりにバブルを崩壊させることはできません。というのも、2008年の夏には北京五輪という一大イベントが控えているからです。中国政府の本音としては、なんとかそれまではバブル崩壊から経済が失速してしまうような事態は避けたいのです。

だからこそ、これまでは預金準備率の引き上げや、利上げといった緩い金融引き締め政策だけを実施してきたのです。バブル崩壊は困るけど、なんとか勢いだけは止めないと後で大変なことになると分かっていると思われます。

ですがバブルは、膨らみ続けたらいつかは自然崩壊します。そして膨らめば膨らむほど、崩壊した時のダメージは大きくなります。2007年に入ってからの中国の株価バブルは、中国当局の予想を超えて急激に膨らんでいます。何とかしないと、日本のバブル崩壊のように後に大きな傷跡を残してしまうことになるでしょう。何らかの政策によって弾けるのか、あるいは自然崩壊するのか? どちらにしても、中国バブル崩壊のXデーが近いうちに見られる可能性は高いでしょう。


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