守屋前次官、詳細に日記 会合の相手・内容も判明か2007年11月29日15時06分 防衛省の装備品納入に絡んで東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)が、防衛省在職中に面会した相手や会合の同席者、やりとりなどの詳細な内容を長年にわたって日記に記していたことが防衛省関係者の話で分かった。守屋前次官は証人喚問では、この日記を元に額賀財務相と久間章生衆院議員が軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)=贈賄容疑で再逮捕=との宴席に同席していたことなどを証言したとみられ、「守屋日記」が政界ルートを含む疑惑解明につながる可能性がある。 防衛省関係者によると、守屋前次官は10年以上前から毎日、日記をつける習慣があった。勤務時間中の来客だけでなく、業者や政治家らとの会合の内容なども細かく記録していたという。 守屋前次官は、10月29日と今月15日の衆参両議院における証人喚問を前に、あらかじめ過去の日記を読み直して確認したうえで証言したものとみられる。 防衛省関係者は「(守屋前次官が)誰と会ったか(日記に)整理しているのを何度も見たことがある。証人喚問前も当時の日記を見ているはず。日記を見れば日時や店の名前も分かる」と話す。 守屋前次官は15日の参院外交防衛委員会における証人喚問で、元米国防総省日本部長のジェームズ・アワー氏を囲む宴席について「はっきり覚えており、アワー氏が来日したとき神田の料亭だったと思うが、宮崎さんが来て、それから額賀先生が来て最初に帰った」と語った。 民主党は、会合の出席者や逮捕前の守屋前次官への電話での聞き取り調査から、会合は昨年12月4日、東京・人形町の料亭で額賀氏と守屋、宮崎両容疑者、アワー氏らが宴席を囲んだと指摘。そのうえで、守屋前次官が「額賀氏が遅れてきて、(私が)席を譲った」と宴席での席順についても言及していることを明らかにしている。 一方、額賀氏は宮崎容疑者との会合について「宴席を共にしたことはない」と全面的に否定。自民党の大島理森国対委員長は昨年12月4日の額賀氏の「アリバイ」を示す写真などを公開し、「額賀氏が参加、列席したことはあり得ない」と主張し、真っ向から対立している。 来月3日の参院財政金融委員会では額賀氏と守屋前次官の証人喚問が予定されていたが、守屋前次官の逮捕で喚問は額賀氏だけとなる。ただ、東京地検特捜部は守屋前次官への出張尋問に協力する方向だ。守屋日記の存在は、食い違っている双方の主張の真偽だけでなく、政界ルートを含めた防衛利権をめぐる疑惑解明につながる可能性がある。
PR情報社会
|
ここから広告です 広告終わり どらく
一覧企画特集
特集
朝日新聞社から |