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携帯でやけど 日本では34件 国民生活センター

2007年11月30日01時03分

 国内の消費生活センターには、携帯電話で「危険な目にあった」などとする相談が97年度以降29日までに186件寄せられている。そのうち携帯が原因とみられる火災や発火、発煙、過熱は124件、やけどを負ったという報告は34件に上る。ここ数年、件数は増加傾向にあるという。

 国民生活センターがまとめた。寄せられた情報の内容は▽就寝中に携帯電話を充電していたら畳や枕が燃え上がっていた。溶けていた充電池が発火の原因ではないか(07年度)▽携帯を使用中に熱くなった充電池を電話機から外してテーブルに置いたところ、突然破裂し、破片が子どもの体をかすめてけがをしそうになった(06年度)▽携帯を使用中に電池が膨張し、耳元で突然破裂したため耳鳴りがする(03年度)――など。

 携帯電話などによく使われるリチウムイオン電池は、正極と負極を隔てる絶縁シートに傷がつくと、内部でショートして温度がどんどん高くなるおそれがある。安全対策は施されているものの、薄くて小型の電池は限られた体積にぎりぎりまで多くの電極が詰め込まれていて、微少な傷が過熱につながる。

 電池を満たす電解液には燃えやすい有機溶媒が使われ、過熱から発火に至る可能性がある。高温で有機溶媒が分解されるなどしてガスが生じると、内圧が高まって破裂することもありうる。

 ただ、携帯用電池の破裂だけで大けがにつながるかどうか疑問視する声もある。産業技術総合研究所の小黒啓介ユビキタスエネルギー研究部門長は「一般的には過熱した時の危険性は電池が大きいほど高い」と指摘。「携帯用の小型電池で爆発のようなことが起きたとしても、骨折させるほどの破壊力があるとは考えにくい」と話す。

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