【大紀元日本11月27日】中国国家宇宙航空局は11月26日、「嫦娥一号」が撮影した一枚の月面の写真を公表し、温家宝総理が自ら写真の披露式を行った。中国の初の月探査プロジェクトの成功として、中国のメディアに大々的に取り上げられ、当日の新華ネットのトップを飾り、世界先進大国に立つ誇りをアピールした。しかし、写真は、グーグル・ムーンのサイトの月面写真とあまりにも似ていると指摘され、中国のインターネット上で偽造疑惑がホットな話題となっている。
日本の月周回衛星「かぐや」とほぼ同じ時期に発射した中国の衛星「嫦娥一号」は、第17回党大会後の中共政権の権威と国威の象徴として多くの期待を担い、先月24日に打ち上げられた。その後、一時迷い子になり、軌道修正されたが、再び音信が絶え、今月18日にやっとすべて正常化されたと発表された。26日、中国国家宇宙航空局は、「嫦娥一号」が撮影したとされた一枚の月面写真を公表した。温家宝総理が自ら写真の披露式を行い、中国が世界先進国に立つ自信を宣告した。当日の新華ネットは「嫦娥一号」の関連報道一色となった。
しかし、写真は公表されてまもなく、多くのインターネット掲示板から、グーグル・ムーンのサイトの月面写真の偽造である声が上がってきた。
少し前、中国の西北部にある陝西省当局は、43年ぶりに絶滅したはずの華南虎を農民が取った写真で確認したとインターネット上で発表したが、紙で画いた虎の写真を加工した偽物と多くの専門家に指摘され、インターネット上で熱い議論を引き起こした。それ以来、政府の捏造行為が民衆の話題となり、華南虎の写真の真偽に関する議論が全国的に広まった。
こうした背景もあり、「嫦娥一号」の月面写真は、グーグル・ムーンのサイト上とそっくりの写真が発見され、すぐインターネット上で多くの関心を呼ぶ話題となった。
当局の報道によると、「嫦娥一号」の月面写真は、19の軌道から取った画像で製作したものという。偽造と疑うネットユーサーの分析によると、一部は、グーグル・ムーン上の写真とまったく同じ角度から捕らえたものという。
この指摘に反対する声は、当局がまさか世界中に披露する「嫦娥一号」の写真を捏造するまではしないだろうとしたが、支持者は、例え写真は本物としても、この国では政府による捏造があまりにも多すぎて、どれあ真実なのか誰も信じることができないという。
更に、中国の千竜というニュースサイトは、「嫦娥一号が取った初写真の分析」と題する報道で、嫦娥一号から撮られたとされる写真は、「専門家に、日本の初の月面の写真と比較すると、中国のは精細な写真で、日本のはスピード仕上げの写真」と報道したが、掲載した写真は、日本の「かぐや」の写真とまったく同じ角度で同じサイズで、解像度と明るさが違うだけ。この写真は、中国国家宇宙航空局が公表した写真とは違うもの。
(報道・肖 シンリ)
(07/11/27 09:48)
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