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はちゅねミクという試金石

 ユーザーがコンテンツを生成するいわゆるCGMがきちんとした「メディア」になるためにどうしても避けて通れないのは、CGMの中で名声を得たユーザーが金銭や名声などの実社会での利益を得ることを、CGMに参加しているユーザーやそのコミュニティが許容できるかどうかだろう。
 その意味では、はちゅねミクというのは一種の試金石となりうる。


公式となったはちゅねミク



 はちゅねミクは元々、Otomaniaさんが「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」で使ったSDキャラ。作成はたまごさん。
 初音ミクブームのきっかけの一つとなった記念碑的なキャラであり、「初音ミクといえばネギ」の開始点ともなったキャラクターであり、このインパクトはクリプトンの担当者自身が「本来のバーター形式であれば、Otomaniaさまの「Ievan Polkka」は、少なく見積もっても100万円を遥かに超える効果があると(個人的に)断言できます。」と述べている(コメント欄)。

 このあと「(この問題に関する答えは、デリケートなので手が震えますが)この変わり行く時代の中で、私は私の出来ることを一生懸命やって考えて、Otomania様方にユーザー、クリエイター、全ての皆様に、何とか価値のあるものを還元する方法を考えなければならないですね。」と述べていることの答えなんだろうか?
 はちゅねミクは「公式」のものになっていく。

 まず、11月16日のトロステーションでの登場。ここで「クリプトン公認SDキャラ」という言葉が出ている。
 次にねんどろいど初音ミク。「はちゅねみくver」のヘッドパーツがついて来る。
 最後に「はちゅねミク」の4コマが連載開始。

利益を得ることに対する嫉妬


 ここで、はちゅねミクの話はいったん置く。

釘宮理恵のツンデレカルタ」という企画を聞いたことがある人は多いだろう。
 これにゲーム「ID@L M@STER」のMADムービーの作者たちが大量に参加していることに対して、批判が集まったらしい

 確かに、慎重になるべきことです。いまのらくえんのようなニコニコ動画という場を壊したくない気持ちもわかります。でも、考えてみてください。いまのニコニコのMADって、アングラですか? もうそうじゃないでしょう?


 とリンク先では時代とのズレを指摘しているけど、もっとはっきり言ってしまえばこれは「嫉妬」だと思う。
 自分たちと同じ場所にいると思っていた人間が、一段高い場所に行く。そのことに対する不快感。もともとCGMというのは作者もユーザーも同一のライン立っているという感覚でドライブするものだから、その分反感も強くなるはずだ。
 リンク先で紹介されているMADの製作者のブログで「刑」という言葉を使っているのが、それを端的に表していると思う。

 で、こういった嫉妬を煽りやすいのが日本の著作権法。
 すっごくぶっちゃけていうと、MADが違法になるような「おかしな」国は先進国では日本くらい。
 それが都合よく攻撃材料になっているし、私見だけどいわゆる権威主義的パーソナリティの持ち主を刺激する結果にもなっていると思う。

攻撃対象としてのはちゅねミク


 初音ミクがCGMの今後にもたらした点では非常に大きいのが、著作権的に「クリーン」かつユーザー発のコンテンツが大量生成されているというところ。

 つまり、MADを明示的に公式なものにするには現行の著作権処理スキームをひっくり返すようなとんでもない真似が必要だけど、ミクねたのコンテンツならば権利処理は容易だし、やろうと思えばネット向けのスキーマをテストし、作り上げることだって可能だろう。
 つまり、CGMやWeb2.0といった言葉ができた頃から日本では「いつか必ず」と思われていたユーザー発のコンテンツがネットの外に出る可能性が初音ミクのヒットで一気に現実のものとなったし、現在それはいろいろな形で現実化しつつある。
 まさに、未来へとつながるハジメノオトだよなー。

 ただ、その点でいうとはちゅねミクはややこしい。
 
 はちゅねミクそのものは初音ミクの権利を持っている側がOKを出せばいいのだけど、そのきっかけとなった「Ievan Polkka」はWikipediaによる

イエヴァン・ポルッカ(Ievan Polkka, フィンランド語で「イエヴァのポルカ」の意。Ievan Polokkaとも)は1930年代にエイノ・ケットゥネンにより作詞されたフィンランドの有名な伝統的ポルカである


 これがロイツマというグループによって歌われ、さらにロイツマ・ガールというFLASHになって、最後に「はちゅねネギ動画」になったわけだ。
 
 経緯もややこしいが、権利的に見ても若干ややこしい。作られたのが1930年代だそうなので、曲自体は著作権が切れているし、歌詞についてもまず同じだろう。
(事実誤認でした。ご指摘に感謝します)
 ただし、「はちゅねネギ動画」が元にしたパートはロイツマがオリジナルの歌詞(正しくはスキャット)を歌っている部分であり、そこには著作権が発生している。
 
 その点でいうと、はちゅねミクというのはグレーなコンテンツの上にあるクリーンなコンテンツではあり、非常に悲しいことだけどミクねたのコンテンツのなかでは例外的に「攻撃」しやいすいターゲットではある。

 さらに言えば、おそらくはユーザ側のイメージを固定するのを避けるためだろう、クリプトン側は「公式」という言葉を慎重に避けているようで、例えばコミックラッシュで連載が始まった「初音みっくす」はメーカー非公式という扱いになっている。

 その点でいえばはちゅねミクの扱いは破格であり、その分ターゲットになりやすい。

試金石としてのはちゅねミク


 実際、Otomaniaさんが鏡音リンのSDキャラ名を「かぐぁみねリン」と発表しただけでも、コメント欄に「利権を独占しようとするのか」というコメントが寄せられている。
 
 はちゅねミク公式化については現状、たまごさんもOtomaniaさんもコメントはしていないので、「公式」に発表されたときにどういう反応が起きるかはまだわからない。
 しかし、それが一種の試金石になりうるのは間違いないだろう。
 炎上するのか、それとも賛否両論巻き起こるのか。特に何も言わずに通り過ぎるのか。

 個人的には、ネットは「免疫」を備えた、健全なほうへと向かっているとは思うんだけど…。

― by 狩田英輝 @ 03:54 pm comment Comment [0] ping TrackBack [1]
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