社会
朝鮮人強制連行 戦争末期に北部へ拡大 学生ら調査
日中、太平洋戦争中のいわゆる朝鮮人強制連行が、戦争末期の1944年9月以降、朝鮮半島南部から北部に広がったことが、日本の大学などで学ぶ在日朝鮮人の学生でつくる「在日本朝鮮留学生同盟」兵庫地方本部の調査で分かった。要員集めの中心だった南部での確保が困難になり、本土決戦に備え北部での徴用を強化したらしい。(森本尚樹)
戦時中の労働力不足を補うため、日本政府が半島から朝鮮人労働者の移入を図った「強制連行」は三九年から始まった。「募集」「官斡旋(かんあっせん)」と称した動員方式から、大々的な「徴用」へと移行。終戦まで続いた。
旧厚生省が戦後の四六年に行った「朝鮮人労務者に関する調査」の名簿によると、兵庫県関係分は一万三千四百十四人。今回の調査は、この名簿から出身地や配属時期などを分析した。
それによると、四四年八月までに県内の事業所に入所した労働者四千百二十九人の74%が南部出身で、北部は26%だった。ところが、同年九月から終戦までの全入所者八千三十八人の内訳は南部51%、北部49%。特に同年九月の入所者千八百九十六人の内訳は、南部24%、北部76%と南北が逆転していた。
この月は国民徴用令が朝鮮人にも適用された時期に相当。同本部は「南部から労働に耐え得る若者を連行し尽くし、北部に手を広げた」とみる。
また、四四年度の県内での入所者は八千六百十二人。当時の閣議決定資料にある同年度予定数の県分八千六百五十人とほぼ一致し、同年度の連行者数が裏付けられた。
同本部の李洪潤(リホンユン)さん(21)=神戸大四年生=は「名簿の整理と分析は強制連行犠牲者の遺骨回収の手がかりにしたい。日本側の取り組みも広がってほしい」と話している。
調査結果は三十日午後六時半、JR三ノ宮駅南東の神戸市勤労会館で開く学習会「国際人権条約から見た在日朝鮮人の人権状況」で発表する。
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