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エピローグ
1
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 08:54:05
その年の秋は早足でやってきたようだった。車のガスや通行人の息が、冷たい空気の中に
吐き出されてはよどんでいく。そんなひんやりと秋めいた9月最初の日の朝、若い家族連れが、
込み合った道路を急いで横切り、すすけた大きな駅へと向かっていた。
両親の押しているカートの荷物の上で、大きな2つの鳥かごがカタカタ音をたてている。
中ではふくろうが苛立たしげに羽を広げ、赤毛の女の子は父親の腕につかまってべそを
かきながら二人の兄の後を歩いていた。
「そんなに先のことじゃないさ。お前もすぐに行けるよ」
ハリーは彼女に言った。
「だって2年もあるのよ」リリーは鼻をすすり上げた。
「私は『今』行きたいの!」
通行人が珍しそうにふくろうを見返り、家族連れは人ごみをぬってプラットホーム9と10の間の
手すりの方に向かっていた。アルバスの声が、喧騒をぬってハリーの耳に聞こえてきた。
二人の息子は、車の中でした口げんかをまた始めたようだった。
「ぜったい!ぜったいにスリザリンなんかにならない!」
「ジェイムズ、いいかげんにしなさい!」ジニーが言った。
「おれはだた、可能性がないわけじゃないって言っただけだよ。」弟ににやにや笑いかけながら、
彼は言った。「別に悪いこと言ってないだろ。もしスリザリンに。。」しかし彼は、母親の目を
見て黙り込んだ。そしてポッター家の5人は、手すりのほうに近づいていった。
2
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 08:56:17
弟を肩越しに見返って少しいばったような表情を作ると、ジェームズは母親からカートを受け取って走り出した。次の瞬間、彼はぱっと消えた。
「手紙くれるよね?」兄のいないこのチャンスに、アルバスは急いで両親に聞いた。
「お望みなら毎日でも」ジニーが言うと、アルバスは急いで言った。
「毎日じゃなくてもいいんだ。ジェームズが言うには、たいていの人は一月に1通くらいだって」
「あら、ジェームズには週に3回は手紙を送ったわよ」ジニーが言うと、ハリーが付け足した。
「ジェームズが話すホグワーツのこと、全部が全部信じるなよ。あいつ、からかうのが好きだから」
彼らは横に並んで、もうひとつのカートを押すスピードをだんだん速めた。手すりにぶつかる瞬間、アルバスはちょっとひるんだが、何の衝撃もなかった。
代わりに、彼らはプラットホーム4と3分の1に出た。ホームは真紅のホグワーツエキスプレスが吐き出す白い蒸気にけむっていた。ジェームズの消えた方角には、もやの中に大勢の人影が見え隠れしている。プラットホームを進んで、すれちがうぼんやりとした人影のひとつひとつをのぞきこみながら、
「いったいどこにいるんだろう?」とアルバスが心配そうに聞いた。
「すぐに分かるわよ」ジニーが心配ないわよというそぶりで答えた。
しかし、蒸気が濃くなるにつれ、ますます人の顔が判別しにくくなってきた。人々の声だけが大きく響いてくる。ハリーはパーシーが箒の規則について大声で講義をたれているのを聞いたような気がするのだが、たちどまって挨拶しなくてもいいのにだいぶほっとした。
「あ、きっとあれよ、アル」ジニーが突然言った。
一番最後尾の車両の横に立っている4人連れが、もやの中に浮かび上がってきた。ハリー、ジニー、リリー、アルバスが、そのすぐそばに行くと、ようやく、その顔が判別できた。
「やあ」アルバスが、ほっとしたように声をかけた。
真新しいホグワーツのローブをすでに身に着けたローズが、彼に微笑んだ。
3
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 08:57:17
「車、ちゃんと駐車できたかい?」ロンがハリーに聞いた。「おれはできたぜ。ハーマイオニーのやつ、おれがマグルの自動車試験に受かったの、信じてくれないんだ。
試験官にコンファンド(めくらまし)呪文をかけたと思ってるんだぜ」
「いいえ、そんなこと思ってないわ」ハーマイオニーが言った。「私はあなたのこと、完璧に信じてますからね」
アルバスのトランクとふくろうを一緒に列車に積み込みながら、ロンがハリーにささやいた。
「実を言うと、おれ、ほんとに試験官をコンファンドしちゃったんだ。だって、たった一回サイドミラーを見落としだだけなんだぜ。ほら、ミラーならスーパーセンサリー呪文をかけとけばいいわけだからさ。」
プラットホームに戻ると、リリーとローズの弟のヒューゴが、ホグワーツに着いたらいったいどこのハウスになるのか熱心に話込んでいた。
「グリフィンドールじゃなかったら、縁を切るぞ」ロンが言った。「でもまあ、気張るなよ」
「ロン!」
リリーとヒューゴは笑ったが、アルバスとローズは暗い顔をした。
「本気で言っているわけじゃないわよ」ハーマイオニーとジニーは言ったが、ロンの関心はすでにもうほかに移っていた。ハリーの目をとらえながら、彼は50ヤードほど先の方へあごをしゃくった。蒸気が一瞬うすらぎ、3人の人影が、漂うもやの中にはっきりと浮かび上がった。
「誰だと思う?」
4
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 08:58:20
ドラコ・マルフォイが、妻と息子と一緒に立っていた。黒いコートをのどのところまでボタンで止め、少し後退したその頭が、かえってあごの細さを強調している。新入生のその息子は、アルバスがハリーにそっくりなのと同じように、ドラコそっくりだった。ドラコはハリーとロン、ハーマイオニー、ジニーがこちらのほうを見ているのに気がつくと、そっけない会釈をしてまた向こうを向いた。
「ははあ、あれがスコーピウスぼうやか」ロンが声をひそめて言った。
「ロージー、どのテストでもやつに負けるんじゃないぞ。ありがたいことに、お前の頭脳は母親譲りだからな」
「ロン、お願いだから」ハーマイオニーが、半分は厳しく、半分は笑いながら言った。
「まだ入学もしていないのに、今からけしかけるのはやめてちょうだい!」
「いやまったくそのとおり、ごめんごめん」しかし、やっぱり言わずにはおれないという感じでロンは言い加えた。
「だけど、やつとはあんまり親しくおつきあいしてくれるなよ、ロージー、ウィーズリー家のおじいちゃんは、純血種と結婚したら許してくれないかもしれないぞ」
5
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 08:59:01
「おーい」
ジェームズが再び現れた。彼はトランクやふくろうやカートやらから開放され、すごいニュースがあるぞという顔をしてやってきた。
「テディが戻ってきてるよ」蒸気にけむっている方角を振り返って指差しながら、彼は一気に言った。
「さっき見かけたんだ。それで、何してたと思う?ビクトワールと抱き合ってキスしてたんだよ!」
彼は大人たちをじっと見つめたが、何の反応もないのにがっかりしたようだった。
「あのテディだよ!テディ・ルーピン!キスしてたんだ、あのビクトワールと。いとこのビクトワールだよ?それで、ぼく、何してるのって聞いたんだ。。」
「まあ、お二人のお邪魔をしたの?」ジニーは言った。「あなたって、ほんと、ロンにそっくり、、、」
「。。。そいで、彼が言うには、今日はビクトワールを見送りに来たんだって。で、ぼくにあっち行けって。」
もしかしたら、意味が伝わってなかったのかと心配になって、ジェームズはさらに言い加えた。
「テディはビクトワールにキスしてたんだよ」
「二人が結婚することになったら、とっても嬉しい」リリーがうっとりしてささやいた。
「そしたら、テディは本当にうちの家族の一員になるじゃない?」
「彼はもう、週に4度はうちに夕飯を食べにきているわけだから」ハリーは言った。「ついでに一緒に住もうよ、と誘ってしまえばいいんじゃないかな」
「そうだよ!」ジェームズが興奮して言った。
「ぼくはアルと部屋をシェアしてもぜんぜんかまわないよ。テディが僕の部屋を使えばいい」
「だめだ」ハリーは断固として言った。「おまえとアルが部屋をシェアするのは、家を解体するときだけだ」
彼は、傷だらけの古い腕時計をちらりと見た。昔ファビアン・プリウェッツのものだった時計だ。
「もうそろそろ11時だ。もう汽車に乗ってたほうがいい」
6
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 09:00:03
「ネビルによろしくと伝えてね」ジェームズを軽く抱きしめながら、ジニーは言った。
「ママ!教授によろしくだなんて言えないよ!」
「あら、だってネビルのことはよく知ってるでしょ?」
目をくるくるさせながら、ジェームズは言った。
「もちろん、学校の外ではね。でも学校の中では、ロングボトム教授、でしょ?薬草学の教室に入ったときに、教授に向かってそんな軽口言えないよ。。。」
ばっかだなぁ、とばかりに母に頭を振って、代わりに彼は弟に軽くけりを入れた。
「またあとでな、アル。セストラルには気をつけろよ」
「それって、目に見えないんでしょ?ねえ、目に見えないって言ったよね!?」
しかしジェームズは笑って答えず、母にキスしていいよと顔を突き出し、父とちょっとハグしてから、出発間際の汽車の中に乗り込んだ。両親に手を振ると、彼は友達を探しに、急ぎ足で通路の向こうへ行ってしまった。
「セストラルなんて心配することないさ。」ハリーはアルバスに言った。「穏やかな性質の生き物だし、怖いことなんて何もない。とりあえず、お前たち新入生は馬車でなくて、ボートに乗って学校まで移動するんだけどな。」
ジニーはアルバスにさよならのキスをした。
「じゃあ、クリスマスにね」
「じゃあな、アル」息子がハグするとき、彼は言った。「来週の金曜に、ハグリットがお茶に招待してくれてること、忘れるなよ。ピーブスとは騒ぎを起こさないようにな。ちゃんとやり方を知るまで、誰とも決闘なんかするなよ。それと、ジェームズの言うことにいちいち反応しないようにしろよ。」
「スリザリンになっちゃったら、どうしよう?」
そのささやきは、父の耳にだけ聞こえるほど小さかった。出発のその最後の瞬間になるまで、それがアルバスにとってどれほど深刻な恐怖なのかということに、ハリーは気づかなかった。
ハリーがしゃがむと、自分の顔の少し上に息子の顔があった。ハリーの3人の子供の中で、アルバスだけがリリーの目を受け継いでいた。
「アルバス・セルブス」ハリーは静かに言った。ジニーには聞こえたかもしれないが、彼女はもちろん、電車に乗り込んだローズに手を振って、聞こえないふりをしていた。
7
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 09:01:00
「お前の名前は、ホグワーツの校長だった2人の人からもらったんだ。そのうちの一人はスリザリンで、彼はお父さんが知る中で、おそらくもっとも勇敢な男だ」
「でも、。。」
「。。。そして、スリザリンは、お前という優秀な生徒を一人獲得することになるわけだ。お父さんたちはどちらでもかまわないよ、アル。でも、もしお前がどうしてもというのなら、自分でスリザリンではなくグリフィンドールを選び取ることができるんだよ。組み分け帽子は、お前の希望をちゃんと考慮に入れてくれる。」
「ほんと?」
「お父さんはそうしたんだよ」
ハリーはいままで、子供たちにそのことを話したことはなかった。父の話を聞いて、アルバスの顔が喜びに輝いた。しかし、すでにもう真紅の列車のあちこちでドアの閉まる音がし、両親たちがそこかしこで最後のキスをしたり、最後の念押しをしたりする姿が、煙ににじんでいる。アルバスが車両に飛び乗ると、ジニーが列車のドアを閉めた。窓から顔を出していた生徒や乗り込もうとする生徒が、いっせいにハリーの方を振り向いた。
「どうしてみんなこっち見てるの?」
アルバスとローズは、首を伸ばして周りを見回した。
「なんてことはないさ」ロンが言った。「おれを見てるのさ。おれはかなりの有名人だからね」
アルバス、ローズ、ヒューゴ、リリーがいっせいに笑った。列車がゆっくりと動き出し、ハリーは列車と一緒に歩き出した。息子の細い顔は、もうすでに興奮で輝いていた。ハリーはずっと笑いながら手を振っていた。息子が離れていくのを見るのに少し喪失感を覚えながら。。
列車の吐き出した最後の煙が、秋の大気の中に消えていく。列車の姿が角を曲がっても行ってしまっても、ハリーはまだ手を振った形のままでいた。
「あの子は大丈夫よ」ジニーがつぶやいた。ハリーは彼女を振り返り、うわの空の態で手を下げた。
「もちろん、わかってるさ」
彼は額の傷に手を触れた。19年間、それが痛むことはついになかった。万事は、申し分なく。
8
:
ポタリ案さん
:2007/08/04(土) 09:06:33
↑ とてもわかりやすかったので、@ハリポタちゃねる「めいこさん」のをコピペさせてもらいました。
9
:
ポタリ案さん
:2007/08/05(日) 16:06:22
「スコーピウスぼうや」・・・。スコーピウスは蠍座。ドラコは竜座。星座から名前をとったのね。初めて気がつきました。ちなみにシリウスとレグルス(レギュラス)兄弟は星の名前。本編と無関係ご容赦!
10
:
ポタリ案さん
:2007/08/05(日) 20:31:34
>>7
次男の名前がセブルスじゃなくて、セルブスになってる。
11
:
ポタリ案さん
:2007/08/05(日) 20:33:14
>>7
じゃなくて
>>6
でした。
12
:
ポタリ案さん
:2007/08/05(日) 23:38:04
GJ!!
13
:
ポタリ案さん
:2007/08/06(月) 07:48:32
>>10
ご指摘のとおり、正しくはセブルスです。
タイプミスだったらしいのですが、間違えを直さずそのままコピペしてしまいました。
14
:
ポタリ案さん
:2007/11/10(土) 22:48:57
家系図がほしいな・・・
15
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 01:23:48
あげ
16
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 08:42:57
家系図とか、キャラの生年月日、没年、所属寮、生涯の出来事、外見などなどは
管理人スレ78 に載ってるレキシコンでそうとう詳しくわかりますよ。
ローリングがファン交流会などで言ったことも含め、本編に出てこないことまで載ってるので。
17
:
<エバネスコしました>
:<エバネスコしました>
<エバネスコしました>
18
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 15:11:13
ビクトワールというと・・ええと・・。
19
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 16:49:41
たぶんビルとフラーのお嬢さん。
従姉妹って言ってたし、フランス風だし。
20
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 18:06:02
ビルの血とルーピンの血・・・生まれた子どうよ?
21
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 19:45:52
狼関係の血は薄くなってると思われます。
22
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 20:13:44
素敵に野性的なハンサムボーイが生まれるかもね。フラーの孫だしね。
23
:
ポタリ案さん
:2007/11/14(水) 01:26:27
>>20
テディとビクトワールの二人はむしろ同病相憐れむ気持ちじゃないのかな。
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