内野聖陽さん、市川亀治郎さん、ガクトさん、そしてスタッフが綴る「風林火山」日記 大河三昧
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10月30日 長尾景虎役 Gackt(ガクト)

“アジア人”をキーワードに

 僕の夢は“アジアがひとつになること”であり“民族がひとつになること”なんだ。でも、それを言うと『そんなの無理だよ』って思われてしまうことが多い。目指していることがあまりにも大きいからなんだろうね。
 だけど、景虎が家臣の争いを見て『同じ国の武将同士が愚かなことでいがみ合う』と嘆いたように、僕もアジア人同士が、なぜ争ったり、お互いのことを嫌悪しなければいけないんだろうって、すごく思うんだ。
 僕はアジアでの活動もずっと続けているけれど、そこでは決して“日本人”という言葉を使わない。『僕は“アジア人”で、アジア人の中の日本人、日本から来たアジア人です』という言い方をしているんだ。この“アジア人”というのが一つのキーワードとなって、アジア全体に広がればいいなと思っている。

 国と国との距離や、その国に住む人、それぞれの心を結びつけたり、近づけたりするのは実は政治じゃない。それは間違いなく文化なんだよ。お互いの文化を認めることで、その文化を作り出した民族を認めることができる。そのつながりのうえに、はじめて政治が成り立つものだからね。そういう認識がまだまだ薄いというか、文化に対する評価が低いと思う。
 だからこそ、僕は音楽や映像を通して文化というものを伝えていきたいし、届けていきたい。“アジア人”という共通のキーワードを、みんなが持てるようになったときに、国という壁を越えて、アジアがひとつに、民族がひとつになると思っているんだ。

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10月21日 武田晴信役 市川亀治郎

ホントは戦国時代より江戸時代!

 ホントのことを言うと戦国時代は最も興味がわかない時代だったんですよ(笑)。文化的にグローバルなものが少ないでしょう。もちろん土地ごとに栄えているものはあり、いいものもあるけれど、群雄割拠の時代なのでまとまっていない。「風林火山」で武田信玄をやらせていただくことがなければ、たぶん一生、縁のない世界だったと思います。

 演じるうえで、戦国時代であるかどうかはあまり関係ないです。たとえば歌舞伎の「忠臣蔵」は本来江戸時代の物語を室町時代に場を移したもの。僕の中ではそれと同じで「風林火山」は戦国時代に場を借りた現代劇であり、武田家の物語を現代的にやっているというふうに認識しているからです。
 時代で興味があるのは、やっぱり江戸時代です。もしタイムスリップできるなら元禄期に戻って江戸歌舞伎を見たい。江戸三座(中村座、市村座、森田座/守田座)が建っていたころで、きら星のごとく役者も演目も揃っていた一番いい時期です。当時の様子を伝える資料というのは、役者の評判記ぐらいしか残っていないんですが。だから、実際に江戸時代に行って、当時の現代劇であった歌舞伎がどんなふうに演じられていたのかをぜひ見てみたいですね。もちろん、ちょっと見に行くだけ。ずっと住みたいということではないんです。だって、生活は現代のほうがずっと便利ですからね(笑)。

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10月14日 山本勘助役 内野聖陽

緑の中で浄化される旅

 勘助は、ドラマの中で『放浪癖がある』なんて言われてしまうほど、あちらこちらへ出かけていくけれど、僕自身はあまり旅をするチャンスはありませんね。舞台公演で全国を回ったりするくらいかな(笑)。

 仕事なので旅とは言えないけれど、「風林火山」では乗馬練習のために何度も山梨県に通い、そこで自然を満喫する機会が多かったんですよ。“外乗(がいじょう)”と言って、馬場を出て外歩きをすることがあってね。木立の中を雪化粧した南アルプスを見ながらゆったりと馬を走らせる。これが本当に気持ちがよくて、緑の中で体が浄化されていくような感覚を味わいました。
 もし、まとまった休みがとれるとしたら、やっぱり国内、海外を問わず、都会の喧噪(けんそう)から離れたいですね。ビルが林立するアスファルトだらけのところには興味がない。都市部というのは、大体どこへ行っても似たようなものだからね。大自然の中で呼吸するのが大好きなので、緑があり水辺があり、きれいな空があり、夜空に星がきらめいている(笑)。そんな土地で深呼吸するのが大好きな私です。

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10月7日 制作統括 若泉久朗チーフプロデューサー

あと1回増えます!

 9月26日、「風林火山」の収録がすべて終了しました。全スタッフの拍手の中でくす玉を引っ張った内野聖陽さんの涙!私も感無量でした。まさに「疾きこと風の如く」13ヶ月の収録を全力疾走した内野勘助は誠にあっぱれ!最終回にむけてますますボルテ−ジが上がっていきますので、どうぞご期待ください。

 さて、このめでたい日にさらにうれしいサプライズが決定しました。「風林火山」の放送回数が1回増えることになりました。当初は全49回だったのが全50回になります。放送が大変好評なので是非あと1回延長しようということです。ひとえに番組を支えて頂いている皆様方のおかげです。放送途中で回数が増えるのは大河ドラマでは例がない初めての快挙です。誠にありがとうございます。

 放送は第1次川中島の戦いが勃発していよいよ最終章に突入しました。クライマックスは勘助が壮絶な最期をとげる第4次川中島の戦いです。当初はこの勘助最期の川中島決戦を2回にわたって描く予定でしたが、3回にしてじっくりとご覧頂こうと考えています。壮絶な戦いはすでに存分に撮影してあります。勘助の最期の輝きをたっぷりと描きます。最終回は12月16日になります。

 さぁ、ラストスパ−ト!壮大なグランド・フィナ−レにむけて、どうぞ最後まで見守ってください!

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