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【社会】

落雷や竜巻、素早くキャッチ 名大が新観測システム

2007年11月29日 朝刊

 名古屋大地球水循環研究センター(名古屋市千種区)は28日、雨や雪を降らせる雲の中の雨粒などの状況を立体的に観測できる新たなシステムを設置し、本格的な運用を始めた。新システムの活用が進めば、局地的な落雷や竜巻、急激な気流の変化などの発生をより早く予測できると期待されている。

 同センターによると、従来のシステムでは雨量情報と風の動きが推定できた。これらに加え、新システムでは、アンテナから2種類の電波を発射し雨粒などに当たって返てくる電波をとらえ解析することで、雲の内の雨粒などの大きさや形状を把握できる。このシステムを同センターと岐阜大工学部(岐阜市)の屋上にそれぞれ設置。半径64キロ圏内の雲の観測を続ける。

 小型軽量化も図り、今後、九州や北陸地方のほかバングラデシュなど海外でも利用して観測を進める計画。上田博センター長(気象学)は「長期的には、このシステムで観測を進めることで地球温暖化による気候変動モデルの検証にも役立つ」と話している。

 

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