小林薫と西島秀俊の演技合戦が見ものの骨太ドラマ「休暇」
(左から)大杉漣、小林薫、大塚寧々、柏原収史
[eiga.com 映画ニュース] 「戦艦武蔵」「闇にひらめく」などの小説で知られる吉村昭の同名短編小説を原作に、オール山梨ロケで映画化する「休暇」。11月27日、撮影まっただ中の山梨県にて記者会見が行われ、主演の小林薫、大塚寧々、大杉漣、柏原収史、宇都秀星、門井肇監督、小池和洋プロデューサーが登壇した。
本作は、結婚式を週末に控え、1週間の休暇を得るために死刑執行の補佐役を買って出た刑務官が、その罪悪感に苛まれながら幸せとは何かを問う人間ドラマ。中年の刑務官・平井を演じる小林は、「最近は、身の回りのことを描いたドラマが多いが、これは死刑囚にまつわる骨太なドラマなのでぜひやりたいと思った」と出演の決め手を語り、表情を引き締めた。一方、刑務官と結婚する子連れの女性・美香を演じる大塚は、「家族は作っていくものだと改めて思った」と、家族のあり方について思いを馳せていた。
製作費1億円という予算と、スケジュールの都合上、小池プロデューサーの出身地である山梨県でオールロケを行うことになった本作。現場には、地元中央市出身の小池プロデューサーの家族から山梨名物の温かい“ほうとう”、甲府市出身の柏原収史から果物の差し入れもあったという。
小池プロデューサーは、「邦画バブルと言われている今、“個性的な作品も必要なのでは?”との思いで作ることとなった。死刑にまつわる話ではあるが、死刑制度の是非を問う映画ではない。それは背景であって、あくまでも本質は厳しい問いかけを含んだ人間ドラマ。“静”の小林さんと、“動”の西島さんの演技合戦をぜひ見てもらいたい。なかなか良い手応えを感じている」と語った。この日は、撮影10日目。小林と大塚が参加して、約20名のエキストラを交えて平井と美香の結婚披露宴のシーンが撮影された。
「休暇」は、08年春公開予定。