▽看護師不足が深刻
大田市立病院(岡田和悟院長、三百三十九床)が、十分な看護体制が維持できないとして十二月中旬から病棟の五階部分(五十四床)の休止を予定していることが二十八日、分かった。
市議会全員協議会で西尾祐二副院長が明らかにした。説明によると、慢性的な看護師不足に加え、産休、育休取得者などの増加が重なり、病院全体で百五十五人を必要とする看護師の配置が十二月には二十人不足する。八月から四階病棟の一部(二十一床分)を休止してしのいでいたが、診療の安全と質を維持するため、一フロア全体の休止を判断したという。
病床稼働率は70%程度で、五階病棟の休止後は四階の二十一床を再開、病床運用をやりくりして利便性の低下を抑える。病院機能は維持できるという。病棟再開に向けては少なくとも十一人程度の確保が必要とし、准看護師の採用や夜勤手当の引き上げなどの確保策に乗り出す方針も示した。
西尾副院長は、昨年度の診療報酬改定で看護体制の手厚い病院に報酬を上乗せする新たな基準が設けられ、看護師の需要が高まり確保が難しくなっている背景を強調。「病棟休止は遺憾で申し訳ないが、過重労働でやめたいとの声もある。苦渋の選択だ」と述べた。(松本大典)
【写真説明】看護師不足で5階病棟の休止を決めた大田市立病院
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