「ある財団関係者と名乗る人物が、医師不足に悩んでいる病院に医師を紹介すると言っているのだけど……」。そう電話をしてきたのは県外に住む友人。財団名を聞くとなんとなく信頼できそうな名称である。インターネット上にホームページもある。
医師を紹介した際には紹介料がかかるという。これは納得できる。だが、紹介前に数千万円の寄付をしてほしいとも言われた。「寄付をしないと紹介してもらえないというのは、へんだよね」と友人。
病院側は警戒し、寄付はしていない。この話が浮上してから2カ月が過ぎるが、医師はまだ一人も紹介してもらっていない。医師不足に悩む病院の弱みに付け込み、寄付をもらうことだけが目的のように思うのだが、考えすぎだろうか。(文)
毎日新聞 2007年11月29日