福岡県大木町発注の公共工事の入札を巡り、町議会議長ら2人が逮捕され、きょう、町役場が家宅捜索を受けました。
大木町役場は、わずか4日前にも談合容疑で警察の捜索を受けたばかりでした。
昨夜、競売入札妨害の疑いで逮捕された大木町の町議会議長・内田清喜容疑者と教育長の戸塚武容疑者。
2人は、今年6月に大木町が発注した町立大木中学校の耐震工事の入札に絡み、久留米市の土木会社・大和建設から依頼を受け、入札に参加する業者を、入札参加者選定委員会で決定させた疑いが持たれています。
入札には大和建設が依頼した通り、8つの業者が参加し、大和建設が落札率97.5パーセントで落札しました。
この入札を巡っては、すでに大和建設の社長ら3人が談合の疑いで逮捕されています。
警察のこれまでの調べで、今回の談合は、大和建設が主導して行ったことがわかっています。
「この8つの業者で入札したい…」大和建設の営業部長・森田秀人容疑者が内田容疑者にこのように依頼、これを受けて内田容疑者が工事の発注を担当する教育委員会のトップ・教育長の戸塚容疑者にこの依頼を伝えていました。
さらに戸塚容疑者は、部下である教育課の職員に指示したことがわかっています。
議会はけさ、臨時の全員協議会を開き、今後の対応を協議しましたが、こうした異例とも言える事態に町民は呆れ顔です。
内田容疑者は現在9期目を務めるベテラン議員で、町政に大きな影響力を持っていたとされています。
ところで、今回の工事は、予定価格が非公表でした。
なぜ大和建設が談合できたのか、つまり、どのようにして予定価格を知りえたのかが今後の捜査のポイントとなります。
大和建設は、自らが談合しやすい業者を選定してもらうために、内田容疑者らに働きかけたものと見られていますが、警察は内田容疑者が何らかの見返りを受け取っていないかどうか、さらに慎重に調べを進める方針です。