県産の木材で建てた園舎として注目されている鈴鹿市白子町の「大鳥保育園」を27日、日本保育協会神奈川県支部の一行24人が視察した。今年4月の開園以降、視察が相次いでおり、今回も「改築の際の参考にするため」が目的だという。
大鳥保育園は社会福祉法人・野町福祉会が市立白子中近くの約3000平方メートルの敷地に木造2階建ての園舎(延べ面積約1000平方メートル)を建設して開園した。藤野輝久園長(59)が園舎の構造や資材にこだわり、柱や床は杉材とコルク、壁の上部は火山灰で塗るなど工夫した。話題になり、開園後は県内外の木材関係者や保育園長らが視察に訪れているという。
この日、視察に訪れたのは同支部の加藤隆次支部長や同支部加盟の保育園長。杉の香りが漂う園舎に入った人たちは「床にコルクが張ってある」「壁はコンクリートのように見えるのに火山灰だって」など驚いた様子。藤野園長が、0~5歳児65人と14人の小学1年生の学童保育をしていることを説明し「柱などは板を張り合わせて強度を保ち、地震に備えた。鉄筋は冬に冷えて夏は暑いが木材は快適」と話した。
加藤支部長は「設計施工者から詳しい説明を受け、効果を知った。137園が加盟する支部はすべて鉄筋。今後の設計の参考にしたい」と話していた。【大原隆】
〔三重版〕
毎日新聞 2007年11月28日