上伊那広域連合は、第4次上伊那地域ふるさと市町村圏計画後期基本計画(2008─10年度)の策定に向け、圏域の住民を対象に実施したアンケートの結果をまとめた。今後、特に優先して取り組むべき分野としては、「地域医療・高度医療の充実」が群を抜いて高いことが分かった。
調査は8市町村の20歳以上の住民2000人を対象に6─7月に実施し、712人から回答を得た。回収率は35.6%。
特に優先すべき分野(複数回答)は、提示した28項目のうち、「地域医療・高度医療の充実」が60.1%で最多。次いで「高齢者や障害者など誰もが安心して暮らせる地域づくり」(38.8%)、「少子・高齢化対策」(34.5%)、「誰もが安心して働くことのできる雇用への取り組み」(30.3%)の順に高かった。満足度調査でも「地域医療・救急医療体制」は不満傾向が強く、広域連合では「早急な整備が最優先課題」と分析している。
上伊那の住み心地は、「大変住み良い」「住み良い」を合わせて58.6%で、前回1999年の調査時に比べて11.1ポイント減少。「住みにくい」「大変住みにくい」は7.0%で、前回比1.3ポイント増加した。「どちらとも言えない」は前回比10.0ポイント増の30.5%。「住みにくい─との回答は年代別に見れば若い人ほど、居住期間で見れば短いほど多くなる傾向がある」という。
「上伊那で誇りに思うもの」(複数回答)では、「中央アルプスの自然」(46.1%)、「南アルプスの自然」(33.7%)、「伊那盆地の自然」(23.1%)と豊かな自然が上位を占め、景観・環境、人々の人情、温泉、農産物と続いた。
ふるさと市町村圏計画は広域圏の将来像と、その実現に向けた具体的な施策を盛ったもの。広域連合では30日、後期基本計画策定に向けた審議会の初会合を開き、アンケート結果を踏まえた計画素案を諮問する。今年度中に策定する予定。