再診料、200床未満の病院は不利

 「再診料の引き下げには診療所のほかに200床未満の病院も含まれるが、診療所は医学管理料を算定できるとすると、200床未満の病院は再診料を下げられた分をどこで評価していただくのか」――。2008年度から始まる75歳以上の後期高齢者の診療報酬について審議した11月28日の中央社会保険医療協議会(中医協)基本問題小委員会(会長=土田武史・早稲田大商学部教授)で、全日本病院協会会長の西澤寛俊委員は再診料の引き下げが200床未満の病院にとって不利になることを指摘した。保険局の原徳壽医療課長は「ご相談したい」と一言だけ述べ、明確な回答を避けた。(新井裕充)

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 現在の診療報酬は、病気などで初めて診察した場合の「初診料」は年齢にかかわらず診療所も病院も270点となっている。

 一方、初診後に同一の病気などで再び診察した場合は、診療所と一般病床数200床未満の病院は「再診料」(診療所71点、病院57点)を算定できる。
 一般病床数200床以上の病院は基本的な処置や検査とともに「外来診療料」(70点)として算定する。

 厚労省は2008年度の診療報酬改定で、病院勤務医の負担を軽減するために診療所による夜間診療の報酬を手厚くする一方で、初・再診料を引き下げる案を示し、これに日本医師会が猛烈に反発している。
 一方、75歳以上の後期高齢者の初診料は引き上げ、再診料は74歳以下と同様に引き下げることを提案している。この提案に対しても日本医師会が反発している。
   
 この日の同委員会で厚労省は、後期高齢者の年間の診療計画を立てて継続的に健康管理をする主治医の「医学管理料」について、算定できる「主治医」は原則として診療所の医師に限定する方針を改めて示した。

 このため、「75歳以上の再診料」について診療所の場合には、引き下げられた分を「医学管理料」によって“穴埋め”できることになるが、200床未満の病院の場合には医学管理料の加算もなく、再診料が引き下げられることになりかねない。

 そこで、西澤委員は「200床未満の病院は再診料を下げられた分をどこで評価していただくのか」と不満を表し、200床未満の病院にも医学管理料を算定できるよう、「主治医」の要件を200床未満の病院勤務医に緩和することを求めている。

 厚労省は、診療所がない地域に限って病院の勤務医も主治医になれる方針を示しているが、厚労省が想定している「在宅支援病院」の要件は厳しいため、200床未満の病院にとって不利な改定になる可能性が出てきた。


更新:2007/11/29   キャリアブレイン

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