産婦人科などの医師不足が課題になっている諏訪中央病院(茅野市)の現状やあり方について病院側と地域住民が意見を交わす懇談会が28日夜、原村中央公民館を皮切りに行われた。住民ら約30人が参加。病院側は地方の医師確保の厳しい現状を示す一方、病院として研修医を受け入れ、地域の力で育てたい─とする取り組みを説明した。
病院組合長の柳平千代一市長、浜口実院長らが出席した。全国的な医師不足で同病院は耳鼻咽喉(いんこう)科、眼科、産婦人科の医師が非常勤となり、現在は外来診察のみ。出産は4月から取り扱いを中止している。柳平市長は「あの手この手でアプローチしているが特に産科は絶対数が少なく苦戦している」と説明した。
また、浜口院長は2004年に始まった臨床研修医制度に触れ、同病院では研修医を多く受け入れ、総合的な初期診療ができる医師の育成に力を入れている現状を伝え、「研修医を何人も育てて医師を確保する時代。そうすることで医師に地域に居ついてもらうことが大事」と話した。
参加者からは医師不足についての質問は特になく、「(育児などで現場を離れた)女性医師を復帰させるための環境づくりを」などの意見が出された。
病院のあり方の意見交換としてこのような形で地域に出掛けるのは「初めてでは」(同病院)という懇談会。医師による健康講話もあった。
29日に茅野市湖東地区、12月5日にちの地区の各コミュニティセンターでいずれも午後7時から開く。同市の玉川周辺、宮川周辺については来年1月下旬─2月初旬ごろをめどに実施する。