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守屋前次官夫妻を収賄容疑で逮捕 東京地検

2007年11月28日21時26分

 防衛省の装備品納入で便宜供与した見返りに、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)から12回で総額約389万円相当のゴルフ旅行の接待を受けたとして、東京地検特捜部は28日、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)と妻の幸子(さちこ)容疑者(56)を収賄容疑で逮捕し、宮崎元専務を贈賄容疑で再逮捕した。官僚トップの事務次官経験者が汚職で逮捕されたのは、97年当時、関西国際空港会社の前社長だった服部経治・元運輸事務次官以来10年ぶり。

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自宅を出てタクシーに乗り込んだ守屋武昌・前防衛事務次官=28日午前10時13分、東京都新宿区で

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今回の逮捕容疑の構図

 特捜部は同日、守屋前次官の東京都新宿区の自宅を捜索した。

 関係者によると、守屋前次官は調べに対し、容疑を認める方針だという。

 特捜部の調べによると、守屋前次官は、宮崎元専務から防衛省の装備品納入などで便宜を図ったことへの謝礼や今後も優位な取り扱いを受けたいという趣旨であることを知りながら、03年8月〜06年5月の間の12回にわたり、北海道や九州などで妻と一緒にゴルフ旅行の接待を受けた疑い。旅行は2泊3日が多く、1回あたりの前次官夫妻への利益供与額は約30万円に上り、宿泊費などすべての費用を負担してもらっていた。

 妻の幸子容疑者は12回のゴルフ旅行のすべてに同伴。事務次官としての夫の立場を認識したうえで、接待を繰り返し受けていたとして、特捜部は、本人は公務員ではないものの収賄に加担した、刑法の「身分なき共犯」にあたると判断した。

 守屋前次官側は、宮崎元専務側から現金計三百数十万円の振り込みを受けていたことが判明している。元専務は調べで全額が返済されたと説明しているが、特捜部は事実かどうか裏付け捜査をするとともに、ほかに、わいろにあたる現金の授受がないかどうかも調べるとみられる。

 守屋前次官は今年春から6月ごろまでの間に、航空自衛隊の次期輸送機CXのエンジン納入をめぐり、宮崎元専務側を擁護する発言を繰り返していたとされる。また、山田洋行が00年度に防衛庁(当時)と契約した海上自衛隊の装備品で代金の過大請求が発覚した際、同社に対する処分の見送りに関与した疑いなどが持たれている。特捜部は今後、具体的な便宜供与の特定を進める。

 守屋前次官は、国会での3度目の証人喚問が12月3日の予定で議決された直後に逮捕された。東京地検の渡辺恵一・次席検事は「捜査の結果、嫌疑が生じ、逮捕せざるを得なかったものであり、喚問を妨害するためではない」と話している。

    ◇

 特捜部は28日、山田洋行の米国子会社から約100万ドル(当時のレートで約1億2千万円)を不正に引き出したなどとして、宮崎元専務と、山田洋行元役員室長の今治(いまじ)友成容疑者(57)を業務上横領などの罪で起訴した。

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