厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」(中医協)は28日、08年度診療報酬改定で、医師の技術料などの「本体」について「更なるマイナス改定を行う状況にはない」とする意見書をまとめた。これを受け、政府は本体の減額改定は避ける方向で調整に入る。一方、厚労省は同日、診療報酬のうち薬の公定価格「薬価」に関して、市場価格との差を縮めるため1%程度引き下げる見通しを示した。
意見書は、06、07年度の人事院勧告による公務員の賃金動向が0.7%増であることや、報酬を産科・小児科、救急医療に重点配分する必要性を指摘。「本体」については、前回06年度改定(1.36%減)から2回連続となる減額改定を否定した。ただ、経済界などを代表する支払い側委員は事実上据え置きを求めたのに対し、日本医師会など診療側委員は「大幅引き上げ」を主張。「ゼロか引き上げか」については両論併記にとどめた。
一方、薬価改定は、市場で流通している実勢価格にそろえる仕組みとなっている。28日に公表された07年度薬価調査結果(速報値)によると、薬の平均公定価格は実勢価格より約6.5%上回っていた。公定薬価は、市場価格に2%の政治加算をした水準とする制度があるため、是正幅は約4.5%。これを総医療費ベースの診療報酬に換算すると、1%程度(国庫負担で約800億円)の引き下げとなる。【大場伸也】
毎日新聞 2007年11月28日 22時21分