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震度7の建築経済学

震度7で跳ね上がる全壊率

 震度7になるとなぜ、建物が大きな被害を受けるのか。それを図4「木造建物の全壊率」に示した。阪神大震災で被災した西宮市の木造建物の全壊率を、旧築(赤印、昭和36年以前)、中築(緑印、昭和37~56年)、新築(青印、昭和57年以降)の3タイプに分けて示している。

図4 木造建物の全壊率

 一般的には、建設年が1981年(昭和56年)以前のものを旧耐震建物、1982年(昭和57年)以降のものを新耐震建物と分類する。それを当てはめると、旧築と中築は旧耐震、新築は新耐震世代に相当する。

 なお、震度5強は計測震度で5.0~5.5未満、震度6弱は5.5~6.0未満、震度6強は6.0~6.5未満、震度7は6.5以上である。

 図4からは、計測震度6.0(震度6強)のとき、旧築の全壊率は18%、中築は10%、新築は2%であるのに、計測震度6.5(震度7)では、旧築83%、中築63%、新築16%と、急カーブを描いて全壊率が上昇することが分かる。

 また、同じ震度7でも、計測震度6.5では新築の全壊率が16%なのに、計測震度7.0ではなんと55%まで跳ね上がるのですさまじい。

 図5に「非木造建物の全壊率」を示した。木造建物と同様に計測震度が上がるにつれて、全壊率は急カーブで上がっていく。

図5 非木造建物の全壊率

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